苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

メチルメルカプタン

 もう30年近くまえ練馬の教会にいたとき、O先生を迎えて伝道会をしたことがある。前日、当時独身だった私の家に泊まっていただいたのだが、もともとダミ声のO先生はのどを痛めていらした。
 私は知人から、「大根飴」というのが喉にとてもよく効くと教わったので、大根をサイの目切りにして、水あめに落として数時間おいたらかんたんに大根飴を作ることができた。先生になめていただいたら、具合がよさそうだった。あまった大根飴はジャムのびんに入れておいた。
 さて翌朝は主の日である。早めに会堂の席について、右の席についているO先生と備えのお祈りしていると、ものすごく臭い。誰かのおならだ。祈り終わって目を開けると、左隣の席にTさんが腰掛けて黙ってお祈りしている。『も〜、Tさんのおならくっさいなー』と内心つぶやいた。しかも、困ったことに、いつまでたっても臭いが消えないのだ。
 さて、礼拝15分前になって、O先生がゴホンと咳をしているので、大根飴のビンを手提げ袋から取り出そうとしたら、くっさ〜。あの臭いはT姉からではなく、大根飴のビンから出ていたのだ。(変なことTさんに言わないでよかった。)
 ネットで調べてみたら、おならの臭い成分と大根飴の臭い成分は、どちらもメチルメルカプタンというものだそうである。間違えたのも無理はない。心の中で濡れ衣をかけてしまったTさんは、もう天国の人だ。