詩編140章12節
私は知っています。【主】は悩む者の訴えを支持し、貧しい者に、さばきを行われることを。(新改訳)
わたしは主が苦しむ者の訴えをたすけ、貧しい者のために正しいさばきを行われることを知っています。(口語訳)
われは苦しむものの訴とまづしきものの義とをヱホバの守りたまふを知る
わたしは知っています、主は必ず、貧しい人の訴えを取り上げ、乏しい人のために裁きをしてくださることを。(新共同訳)
<感想>
詩人は、前半、悪者について神に訴えている。どのような悪者か?「心の中で悪をたくらみ、蛇のように、するどい舌」「唇の害毒」「そしる者」。唇をもって罠をかけ、詩人を陥れることを図る狡猾な悪者である。どうも政治的な臭いがする。
詩人は、悪者の上に燃える炭火を求め、彼らを火の中に、深い淵に落としてくださいと、主に求める。激しく悪者をのろう詩篇である。
人生の修羅場のただなかで、詩人はこれほど激しく、いわば言いたい放題訴えてきたが、この12節でガラリと調子が穏やかになる。主が生きていますこと、主は貧しい者、不当に苦しめられる者の訴えを支持してくださることに思い至ったのである。「正しくさばかれる方にお任せになりました。」 ・・・しかし、この結論にいたるまでの祈りの格闘が大事。