泉三郎『岩倉使節団 誇り高き男たちの物語』をようやく読了しました。廃藩置県からわずか4ヵ月後、明治4年11月12日から明治6年9月13日まで、岩倉具視、木戸孝允、大久保利通、伊藤博文ら維新の立役者らをはじめ30名を超える使節団が、米英仏ベルギー、オランダ、ドイツ、ロシア、デンマーク、スウェーデン、イタリア、オーストラリア、スイスを訪問し、帰り道にはセイロン、シンガポール、香港、上海を経て横浜に帰着した大視察旅行を敢行しました。
770頁もある大冊ですが、実に興味津々に読ませる本です。というのは執筆者は、この視察旅行の参加者久米邦武の描いた『特命全権大使 米欧回覧実記』に出会って、ただこの本を書くために、全権大使たちがたどったメインルートをことごとく行き尽くしたという熱の入りようで臨場感があるからです。