現政権は特定秘密保護法とか改憲とか集団的自衛権とか原発再稼動とか危なっかしいけれど、経済だけは立て直してくれるんじゃないかと、国民はテレビや新聞で思わされてきたのだが、現実はそうではないらしい。経済が上向きに見えたのは昨年秋までで、その後、急降下していることが判明した。
<追記 2つの景気の指標>
fbで、この点を書くとよいと指摘していただいたので追記する。
わかりやすい景気の指標に、GDPと株価がある。GDPは実体経済を表し、株価は「好景気感」という架空の金融経済を表す。安倍首相は40兆円増刷したり、年金の基金を投資に回すぞとPRすることで「好景気感」を演出して株価を吊り上げて、国民の中の少数である株主たちを喜ばせた。アベノミクスは、これに実体経済が付いてくるのを期待したのだが、それがまるでうまくいっていないことが、判明してしまった。
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-4593.html
<リンク先の文章とビデオのまとめ>
1.実体経済は民主で伸び、自民で落ち込んだ
昨年秋ごろ首相は「民主党時代に経済は落ち込んだ」とさんざん非難し、「アベノミクスはどうだ!」と胸を張っていたが、それは架空の経済(株価上昇)についてのことにすぎなかった。実体経済は正反対だった。民主党政権時代にGDP(国内総生産)は急成長していたが、安倍政権になってGDPは落ち込んだ。「民主党政権でGDPは5%強の成長していたが、安倍政権では1.5%弱」。
(筆者:こういう統計はこんなに時間がたってからでないと、わからないものなのでしょうか?それとも・・・)
下を見ると、一人当たりGDPは10位から22位に転落したことがわかります。
2.国民の生活・生命に直結するエネルギー・医療・農業まで外資に売り飛ばそうとしている
安倍総理は、なんでもかんでも規制緩和すればいいという新自由主義経済を盲信していて、なんと国民の生活と生命にかかわるエネルギー・医療・農業まで外資に開放するという趣旨の論文を英国フィナンシャルタイムズに投稿した(もちろん官僚の作文だろうが)。
TPPで日本の農業は壊滅して、ただでさえ4割ほどの食料自給率はさらに落ち込む。そうして、このところの地球規模の異常気象で大凶作となったら、国民は飢える。
TPPで医療を外資に開放するというのは、外資の保険会社の参入を意味し、国民皆保険制度の崩壊を意味している。米国のように盲腸の手術に700万円(ニューヨーク)もかかるようになり、保険料で生活が厳しく圧迫される。
エネルギーというのは電力会社を米国や中国の資本が握るということである。
これらはいずれも国民生活の安全保障にかかわること。
参照 米国ニューヨークの医療の実情(外務省HP) http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20130227/p1
3.アベノミクスで消費は寒冷期に突入・実質賃金14ヶ月連続低下
しかし、こんなに架空の金融経済の世界で好景気感を煽ったにもかかわらず、二人以上の世帯の消費は昨年同時期より8パーセントも落ち込み(リーマンショック並み)、昨年同時期の着工住宅戸数は15パーセント落ち込んでいる。不動産経済研究所が10月16日に発表した9月の首都圏のマンション販売戸数によると、前年同月比44・1%減というからすさまじい。なぜか?
アベノミクスは40兆円もお札を増刷して好景気の幻で株価を吊り上げて少数の富裕層を儲けさせたので、富裕層はいくらかぜいたく品を買っただろう。だが大企業はアベノミクス崩壊を見越して儲かった分を従業員の給料や積極的な設備投資にまわさず、内部留保にまわしているので、下請けの中小企業は相変わらず苦しい。そこに消費税増税を行なったから、大多数の庶民は実質賃金が下がり、雇用も不安定だからものを買うことができない。だから消費はますます冷え込んだ。
(筆者:トリクルダウン理論は机上の空論だと当初から批判されていたのに。)
<追記3>実質賃金低下
厚生労働省が30日発表した毎月勤労統計調査(速報)によると、8月の現金給与総額(事業所規模5人以上)は前年比1.4%増の27万4744円となり、6カ月連続で増加した。しかし、物価の変動を考慮した実質賃金は前年比2.6%減と、14カ月連続でマイナスとなった。下げ幅も拡大し、賃金上昇が物価上昇に追いつかず低迷が続いている。
http://www.msn.com/ja-jp/news/money/%E5%AE%9F%E8%B3%AA%E8%B3%83%E9%87%91%E3%81%AE%E4%B8%8B%E3%81%92%E5%B9%85%E6%8B%A1%E5%A4%A7%E3%80%818%E6%9C%88%E3%81%AF%E5%89%8D%E5%B9%B4%E6%AF%94%E2%80%9026percent%EF%BC%9D%E6%AF%8E%E6%9C%88%E5%8B%A4%E5%8A%B4%E7%B5%B1%E8%A8%88/ar-BB6ss5r
<追記2>
経済学のことにはほとんど関心がなかったのですが、アベノミクスとやらが気になって、少し知ることになりました。「景気」という蜃気楼のようなものと付き合うのはたいへんなことです。無理やり作り出した蜃気楼に乗せられて、企業が設備投資・賃金引上げをして、消費者の懐が潤って可処分所得が増えて良い循環が生まれるようにとアベさんは願ったのですが、実際には、蜃気楼が蜃気楼のまま終わってしまったというのが、ここ二年ほどのことのようです。笛吹けど踊らずの企業たちでした。
まあアベノミクスは大失敗なのでしょうけれど、景気をよくしようと努力した結果なので、仕方ないかとも思います。政治は結果がすべてという原則からは、そうではないでしょうけれども。
むしろ、原発に頼らないエネルギー政策を長期的に目指すとか、TPPについて聖域を守るとか、国会議員の定数削減しますとか、心にもないことを公約してその正反対を推進したことが、私にはゆるしがたいことと感じます。こんなウソが許されたら、有権者は選挙において候補者を選ぶことができません。
<追記3>
「ほんとうは不況をもたらしたアベノミクス」という文章がありました。わかりやすいです。こんなにわかりやすいことが、予想できなかったというのが不可解です。
http://blogs.yahoo.co.jp/saipan_is_number1/63259061.html