苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

従軍慰安婦問題で世界が日本を非難している理由は、朝日新聞による吉田証言誤報ではなく、むしろ安倍首相の言説である

 井上伸氏の主張
http://bylines.news.yahoo.co.jp/inoueshin/20140918-00039211/

<要点>

1.安倍首相・読売・産経は、吉田証言誤報が日本が世界から従軍慰安婦問題で非難される原因をつくったと主張している。

2.朝日の吉田証言誤報は1982−1997年である。従軍慰安婦問題で韓国・米国・蘭・加などが日本を非難し出したのは2010年以降であって、吉田証言が理由ではない。

3.2010年以降、諸外国が従軍慰安婦問題で日本を非難している真の理由はなにか。それは、安倍首相が、かつて慰安婦を集めるにあたって、「(官憲が人さらいのような強制連行をしたという)狭義の強制性」と「広義の強制性」なる区別を勝手に作り出して、かつ、証言はあっても「狭義の強制性」があったという公文書の証拠はない点を取り上げることによって、従軍慰安婦問題そのものが存在しなかったかのようにごまかしていることである。
 特に、米国メディアは首相が北朝鮮による日本人拉致問題解決に積極的でありながら、従軍慰安婦問題について強弁するので、二枚舌だという非難している。というのは、「証言はあっても『狭義の強制性』があったという公文書の証拠はない」という基準に照らせば、北朝鮮による日本人拉致もなかったことになるからである。

4.今後、首相にせよ桜井氏にせよ、「狭義の強制性(強制連行)を裏付ける公文書は見当たらないから、従軍慰安婦問題はなかった」という主張をすればするほど、世界の日本に対する非難の声は大きくなり、日本はますます不名誉を被るだろう。
 先日の引用の表現を用いれば、首相は形式主義的に「面子」にこだわることによって、かえって、国際社会における日本の「名誉」を貶めているのである。


追記>こちらをご覧ください。欧米における安倍政権の従軍慰安婦問題、右傾化についての警戒ないし非難の現状がしっかりまとめられています。
http://blogs.yahoo.co.jp/moritakeue/12043486.html