苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

川内原発は噴火がなくてもアウト

 規制委員会が「安全とは言えない」としながら、再稼動にGOサインを出した九州電力川内原発についてちょっと調べてみた。
 近所に複数ある火山の噴火で火砕流が生じたばあい制御不能となることが指摘されて有名になったのだが、ある意味、「火山の噴火などめったにないから、当面大丈夫かも」と思わせられれている面がなくもない。
 だが、火山の噴火がなくて近年各地を襲っているレベルの地震だけで、川内原発は十分に危険である。毎日新聞の報道によると、規制委員会は「想定する地震の最大の揺れ『基準地震動』は、活断層の知られていない場所で起きた過去の地震を新たに考慮に加え、従来の 540ガル(ガルは加速度の単位)から 620ガルに、想定する最大の津波の高さ「基準津波」も約4メートルから約6メートルに引き上げたことをいずれも妥当とした。」(毎日新聞 2014年07月16日 )という。
 620ガルという想定が低すぎるのである。近年の各地の地震で計測された最大加速度は下記のとおり。川内原発の危険性は一目瞭然である。

1995年阪神淡路大地震・・・・・・891ガル
2000年鳥取県西部地震・・・・・1482ガル
2003年宮城県北部地震・・・・・2037ガル
2007年新潟県中越沖地震・・・・2515ガル
2008年岩手宮城内陸地震・・・・4022ガル(観測史上最大)
2011年東北地方太平洋沖地震・・2933ガル



 原発地震に対する弱点は鋼鉄の炉ではない。弱点は、その冷却のために張り巡らされた配管にある。配管は熱膨張に対応するためきっちり固定せず、ブラブラぶら下げられているのである。福島第一原発の現場作業員の証言でも、激しい振動で配管が揺れて破れたという。配管が壊れると冷却不能におちいり、メルトダウンメルトスルーする。