苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

リニア新幹線と原発はセットです

 NHKニュースで、東京―名古屋を40分で結ぶリニア新幹線に期待の声が上がっていると宣伝されているが、その問題性についてはほとんど報道されない。リニアは原発稼動を前提としているのである。
 専門家によれば、リニア新幹線のピーク時消費電力は1人あたりでは新幹線の40倍である。これに対して、リニア推進側は全電力消費量を平均は新幹線の約3倍だと主張する。リニア推進側は一貫して平均電力量しか示そうとはしない。
 どちらが妥当な計算のしかたなのか?夏の電力需要のことで体験したように、電力はためておくことができないので、肝心なことは電力需要のピークの方である。そのピークに間に合うだけの発電設備がなければ、リニアを走らせることは不可能。中央リニア新幹線を走らせるには原発一基の稼動が前提とされている。
 東海大地震の想定震源域の真上という世界一危険な浜岡原発か、あるいは豆腐のような地盤の上にあると評される柏崎狩羽原発か、その両方を稼動させることがリニア新幹線開業には必須なのである。
 JR東海葛西敬之会長は、2011 年 5 月 24 日の産経新聞で、「原発を速やかに再稼働させるべき」だとして「原子力を利用する以上、リスクを承知のうえで、それを克服・制御する国民的な覚悟が必要」だという。
 なんで、そんな国を滅ぼすリスクまで覚悟して、リニアを実現しなければならないのか。あほらしい。


 ちなみに、理性の国ドイツでは 1994 年、政府がベルリン―ハンブルグ間(292 キロ)のリニア建設計画を決定したが、2004 年、連邦議会が中止を決定した。理由は
1.需要見通しが過大、
2.建設コストの増大、営業赤字が確実、
3.在来線との乗り継ぎができない、
4.騒音、電磁波、自然破壊
 さらに、2006 年には、20 年間無事故であった実験線で走行前方の障害物を確認できず激突。23 人の試乗見学者を死亡させる大事故が発生。2008 年、ドイツ政府はリニア計画を断念した。


 原発村と同じで、リニア村も目先の利権がらみで亡国の不合理な政策が政官業マスコミ挙げて推進されているように見えてならない。


☆こちらを参照
http://web-asao.jp/hp/linear/%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%81%AE%E4%BD%BF%E7%94%A8%E9%9B%BB%E5%8A%9B%E3%81%AF%EF%BC%9F.pdf