福島第一の汚染水問題と地盤沈下問題とが二律背反に陥っています。
一日に300トンから400トンもの大量の汚染水が海に流出していますが、その理由は地下水が原発敷地の下を通って海に流れているからです。そこで、地下水を原発敷地に流れ込ませないために、汚染前に地下水を汲み上げ、バイパスして海に流すというプランを政府は出しています。「これこそ抜本的対策である」と。
けれども、それを実行すれば何が起こるでしょう。先の地震ですでに敷地は地盤沈下していますが、さらに地盤沈下が起こって、下手をすると原発建屋の崩壊を招くのではないでしょうか。そうしたら、益々えらいことです。「抜本的対策」は、皮肉にも文字通りのこととなってしまいます。
こんなふうに素人ながら思ったので、以前から親しくさせていただいている、ある土木の専門家に質問してみました。すると、実際、地盤沈下を招くとおっしゃっていました。その先生は国の政策にも助言できる立場の方なので、政府にこの問題について話しておきますとおっしゃってくださいました。
とにかく、汚染水問題と地盤沈下問題は手詰まりに陥っています。