苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

小川政弘 詩三連  「妻へ」その2

≪詩三連≫  妻へ −その2−

「たとい わたしは死の影の谷を歩むとも
わざわいを恐れません。
あなたが わたしと共におられるからです…。」
手術室に入って行く時
君はこのみ言葉を唱えたんだね。
体質で全身麻酔ができず
局部麻酔で肋骨を切るノコギリの音を聞きながら
君は何度も このみ言葉を口ずさんだんだね。


それは病院伝道の人たちが
教えてくださったみ言葉。
君が最初に覚えたみ言葉、詩篇23篇。


その夜
君の胸の上には
空洞が広がらないように
重い砂袋が置かれていた。
息が止まるかと思う苦しさの中で
君は十字架の主を見た。
血潮したたる両手を広げ
「大丈夫。私が負うから」と言う主のみ声を
君は はっきり聞いた。
そして主を信じたんだね。


その君の荷を
生涯 共に担おうと心に決めて
僕は君と結婚した。
1970年4月29日
主のよみがえりのイースターだった。


「主はわたしの牧者であって
わたしには乏しいことがない。
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わたしの生きているかぎりは
必ず恵みといつくしみとが伴うでしょう。
わたしは とこしえに主の宮に住むでしょう。」


あの日から
主は僕たち二人の牧者になられたんだね。