苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

野中千代子

2年ほど前の読書メモ。

 先日、長野市に用があって、時間があったので小海線信濃鉄道を利用してでかけ、行き帰りの車中、新田次郎芙蓉の人を読んだ。往復では読みきれず、帰宅して集会後、ふたたび読み始めるとやめられなくなり、気付けば午前一時をまわってしまった。こんなことは久しぶりの経験である。
 主人公は明治の気象学者野中到の妻野中千代子。到は江戸時代末1867年(慶応3年)福岡に生まれ、1889年(明治22年)大学予備門に進むも、富士山に冬季を含め通念で気象観測をするための測候所を設置する必要を覚え、この働きに専心するために中退した。1892年(明治25年)母方の従妹であり幼馴染の千代子と結婚し、長女園子をもうける。
 到は、幾度も富士山頂を調査し、1895年(明治28年)には前人の誰もなしえたことのない冬季の登山を行った。
1895年8月30日:富士山頂に私財を投じて日本最初の富士気象観測所を建設。
同年 10月1日:千代子と共に気象観測を開始。
同年 12月22日:病気のため越年観測を断念し下山。
1901年8月:春陽堂より観測記録を含む著書『富士案内』刊行。
1923年2月22日:野中千代子死去。
1955年2月28日:死去。

    ニホンフヨウ芙蓉