地球温暖化問題とは、大気にCO2が増えている事実を気にかけて、以下を三本柱とする話でした。要するに「人為的CO2脅威論」です。
1 大気中のCO2は、おもに人間活動(化石燃料の燃焼)が増やす。
2 そのCO2が地球を暖めている。
3 地球の平均気温が上がると、悪いことがあれこれ起きる。
少し考えるとわかるように、1〜3のうち一つでも誤りなら、話はたちまち崩壊します。つまりCO2脅威論は、1〜3を三本脚とするテーブルのようなものでした。
実のところ「三本柱」はどれもまだ仮説にすぎません。それどころかここ数年間にどんどん劣化を続け、とりわけ2011年には、科学面でも政治・経済面でも、完全崩壊を予感させる出来事が次々に起きました。人為的CO2脅威論が、いま「終わりの始まり」を迎えているのです。(渡辺正『地球温暖化 終わりの始まり』はしがきより)
過去7年間、国は「CO2排出を減らすために」20兆円を投じてきたそうである。それがまったくの無駄であったとは・・・。しかも、今も学校教科書で人為的CO2脅威論が教えられている。壮大なブラックユーモアというか、詐欺というか。大本営発表というか。このばあい、大本営は国連・IPCCである。日本支部は環境庁で宣伝はNHK。
このはしがきからもわかるように、本書は、私のような素人にも読みやすい本である。そして、ふつうならば「人為的CO2脅威論はフィクションである。」と断言してしまうところを、著者は「まだ仮説にすぎません」と言っているところが素人である筆者にははがゆいが、いかにも学者らしい。
物事は総合的に見なきゃだめなんだなあと教えられたことがある。節電してもCO2は減らせないということである。たとえば、個人が電気代1万円分節電したとする。しかし、個人が節電しても、電力会社は電力の供給量を減らすわけではないから、燃やされる燃料が減るわけではなく、CO2が減るわけでもない。しかも、節電して1万円が手元に残ったとすると、人はその1万円をゴミ箱に捨てるわけでなく、何か商品やサービスを買うだろう。その商品が作られ配送されるためには石油が用いられCO2が排出されているわけである。
要するに、人間が活動を行なえばCO2が必然的に出るわけである。ペットボトルのリサイクルは、総合的に考えれば、石油の無駄遣いであり、CO2を増加させるだけだから、本当は正しく燃やすべきだということは10年ほど前に認識したが、節電もまたそうだと言われるとは、トホホ・・・。
だが、トホホ・・・と悲観する必要はない。ここ10年ほどCO2は温室効果ガスといって、さんざん悪者扱いされているけれど、実は、人類にとって地球生命すべてにとって、きわめて有用で必須のガスなのであるから。・・ということを知りたければ、読んでください。