苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

今後のエネルギーシフトの手順   追記2011年6月24日追記6

私たちは、被造物の主人ではなく管理者としての分をわきまえた電力利用法を採用すべきである。見通しをごく簡潔にいえば、

1.地震についていえば、この後まもなくかならず関東大震災、東海・東南海・南海(静岡〜四国)の巨大地震が来る。同時に、列島のあちこちで直下型地震が頻発する。浜岡、敦賀、柏崎、伊方をはじめ、断層の真上とか震央に位置する原発は多い。「冷温停止」していても、地震で冷却機能を失えば福島同様の事態に陥るから、すべて廃炉すべきである。福島第一原発津波が来る前に、圧力容器関連が地震によって破壊されていた事実を認識すべきである。

2.過去ずっと原発をすべて止めても、火力と水力だけで夏場の電力ピークもたった1日をのぞきクリアしてきたというのが実績である。原発の必要性をPRするために48%稼動に抑制してきた火力の稼働率を上げれば、十二分に足りる。全原発の発電分3000万kWを火力に切り替えても、火力はなお30%余裕がある。それでも心配ならば、企業の自家発電4000万kWを融通できるように、電力会社が送電線利用料金を下げればすむ話である。なんの心配もいらない。

3.夏の電力消費ピーク時とは、過去の実績をみれば企業が動いている平日の三日間の、しかも午後2時から3時だけだ。企業がその時間帯クーラー設定温度を2度上げ、工場が生産調整をすればすむ話である。心配なのは、電力会社の節電キャンペーン(=「原発ないと困るだろう」脅迫キャンペーン)を真に受けて、寝苦しい真夏の夜にクーラーをとめて熱中症で死ぬお年寄りが続出するのではないかということである。危険な一般家庭への節電キャンペーン(=原発キャンペーン)は止めるべきである。

4.原発は不潔で危険で日本を滅ぼしてしまうものであるから、まず冷温停止にし、つぎに地震対策を怠りなく全廃にする。そして、火力については高効率で環境負担が最も少ないガス・コンバインド・サイクル発電機に順次切り替えてゆく。産業用には電力の安定供給が必要で、再生可能エネルギーは今のところ不安定さがネックであるから。

追記
 ただしコンバインド・サイクル発電はガスによるものであるので、地震でガス漏れがないように、万全の対策を講じる必要がある。石炭の埋蔵量は莫大なものであり、安全でもあるので、これを環境への負荷を少なく使用する技術開発ができると、ずいぶんよいのだが。また、石油は枯渇するとずっと言われ続けているが枯渇しないで今日まで来た。石油は実は化石燃料ではなく、地球のいわば分泌物であるという説を聞いたことがあるが、今日ではそれが有力な仮説になっているという。石油無機起源説と呼ばれる。「石油は化石燃料ではない」で検索すると、たくさん出てくる。
 巨大な発電所には莫大なエネルギーがあるので、事故になれば甚大な被害が起るものなのである。それは水力でも同じこと。天竜川の佐久間ダムは老朽化しており、東海地震が起るとどういうことになるか。

5.風力・太陽光・太陽熱・潮汐など再生可能エネルギーがいろいろあり、大規模な発電所から長距離運ぶというものでなく、電力の地産地消へ向かうべきこともしばしば唱えられるところである。自然エネルギーには、それぞれメリット・ディメリットがある。共通するネックは、供給の不安定性である。この点をクリアするには、いかにしてそのエネルギーを蓄えるかという技術の開発が鍵である。蓄電池のほか、揚水式発電ダムによる蓄電がある。揚水式発電とは、もともと原発の余った夜間電力で水を汲み上げることで、電力を位置エネルギーに変換し、またその水を落として運動エネルギーとして水力発電を行なうわけである。どの程度有効かはよく知らない。

追記6.同時に、省エネルギー技術の適用と、省エネルギー生活を定着させることが必要。省エネルギー技術自体はさまざまある。大規模店舗出店規制法の撤廃意向とくに進んでしまった、アメリカ風の大規模店舗とシャッター商店街化は、ガソリンの無駄遣いを国民に求めている。各町にある商店街に徒歩や自転車ででかけて、買い物をすることができるならば、ガソリンの消費は減らすことができ、各町での雇用も確保できるのである。小泉政権が米国の年次改革要望書の言いなりになって進めた新自由主義経済政策は、高度成長期のあと、ますますエネルギー無駄遣い社会を作り上げてしまった。
 それにもかかわらず、パブリックコメントの8割が反対しているのに、それを一顧だにせず、経済産業省は莫大な電力供給を必要とするリニア新幹線導入を決めた。愚かなことだ。





  ナデシコ