苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

関税自主権の放棄

 筆者はこれまでTPPで農業‐特にコメ農家は大打撃を蒙るが、製造業は輸出が伸びると思ってきた。実際、経団連はそのつもりで、民主党をプッシュし、経団連をスポンサーとするマスコミはTPP推進を喧伝している。いわく「平成の開国」、いわく「TPPに加盟になければ日本は世界の孤児になる」、いわく「歴史の必然」などと、あたかも小泉改革の時のように、キャッチフレーズで国民はあざむかれてしまいそうである。
 しかし、中野剛志氏(京都大学助教)は、上の見通しはまちがいで、実際は、TPPで農業が被害をこうむるのはもちろんだが、工業製品の輸出が伸びることもありえないことを、具体的な数字を挙げて非常にあざやかに論証している。

 話のなかで、「砲艦外交によって無理やり開国させられた後、明治の先達はどれほど年月をかけて苦労して、関税自主権を獲得したことか。TPPは関税自主権の放棄なのだ」という趣旨のことが出てきたとき、「ああ、そういうことを日本史で勉強したな」と思い出した。治外法権関税自主権の獲得は独立国のあかしであり、これを放棄することは属国化することを意味している。
 話の要約はココをクリック。