苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

氷上でワカサギ釣り

 先週金曜、ぐっと温度が下がって、松原湖(猪名湖)が全面結氷して、翌1月8日土曜日ワカサギ釣りが解禁になった。9日の夕礼拝で、英男さんに誘われて今朝成人の日、湖上のお手製の釣り小屋に出かけた。猪名湖に到着すると、いつもはガラガラの駐車場がきょうはいっぱい。雪が積もった湖面には、色とりどりのテントやカブトムシの幼虫を思わせるビニールテントが並んでいる。みな釣り人たちのものである。午前6時半に門が開いて、それぞれ思い思いのポイントにドリルで穴をあけて、その上にテントを張って大の男たちががんばっているのである。おもしろいね。
 私が湖に着いたのはもう9時だったから、真っ青な空の下で、日がさんさんと照りつけて思ったほど寒くない。氷点下10度より高いだろう。建築士の英男さんの小屋はさすがにテントではなくて、ちゃんとした木造平屋一戸建てで、玄関に「水草先生ご招待席」と張り紙がしてあったので、すぐにわかった。ドアをたたくと、すぐ彼が出てきて中に招じ入れられた。

                  家主の英男さん

 家の中は赤いガスストーブがあって暖かい。なによりすばらしいのはちゃんと床が張ってあるので、靴を脱いで上がれることだ。15年ほど前に一度経験したときは、氷上に長靴でいると下から凍みてくるのに耐えられず、それでも続けるという息子を置いて15分で逃げ帰ってしまったのだが、今回は快適快適。その床の一部があいていて釣り用の穴が三つあいている。明り取りの窓には半透明のプラダンが貼ってある。私は家の奥に座り、英男さんが玄関にすわる。この狭さは、千利休が侘び茶の極意を注ぎ込んでつくった二畳の茶室をも凌いでいる。ちょっと犬小屋気分だが。

 英男さんはすでに11匹も釣っていて、長さ7〜8センチのきれいなワカサギがタッパウェアの中で泳いでいる。竿の糸はとてもほそく、ここで湖は深さ7メートルほどである。棒をつっこんでみると氷の厚さは25センチ以上あった。


 英男さんの竿さばきを見ていると、赤いサシを5つほどつけた釣り糸を垂れて、まず竿を上げ下げして誘った後、ゆっくりと静かに上げていく。これを繰り返すこと1時間あまり。だが私の到着後ぱたっと、魚の音沙汰がなくなってしまった。・・・こんなこともあろうかと、カテキズムを二冊取り出して、二人で勉強し始めた。そのとたん、ピンと竿がしなったが、取り逃がした。ざんねん。
 気を取り直して問答を十問ばかり学び終えたら、英男さんが、「ここで、今、唐揚げにしましょうか。」と提案してくれた。ワカサギ釣りの醍醐味は、釣りもさることながら、釣れたての魚をその場で唐揚げにして食べることなのだと前々から聞いている。それが今日、体験できる。即座に「はい!」と元気に答えた。

 まず、「これでい粉」とかいういい加減なネーミングの味つきから揚げ粉をボールにいれて水を注ぐ。湖の水ではなくて、ペットボトルに入れてきた水。用意周到である。そこに生きているワカサギを入れる。ぴちぴちはねる。

 それから例のガスストーブを横置きにして、火力を増す。ほー、便利だ。手なべを取り出してサラダ油を入れる。最初、外で加熱しようとしたが、寒すぎて油が熱くならないので、小屋に持ち込んで油を加熱。まもなくジュワジュワ来た。そこにワカサギを入れてジュワジュワ揚げる。しばらくすると出来上がり。

 あっちっち、ハフハフいいながら口に揚げたてを入れると、こんがりとした香りとほんのりあまいワカサギの白身がとろけるようにおいしい。最高!! 英男さんが「先生、この味は一生忘れられませんよ。」というので、私は「ほんとうですよ。死ぬとき、『ああ、あの松原湖の氷の上で食べたワカサギの唐揚げをもう一度食べたい』なんて言ったら、牧師らしくないなあと笑われちゃうねえ。」と。
 この後、どういうわけか英男さんはコロッケも用意しておいてくれて、揚げて食べたらおなかもふくらんだ。やー満足満足。「食後にコーヒーを・・・と思ってたんですが、なべを油に使ってしまったので、カルピスといっしょに炭焼きコーヒー飴をどうぞ。」だって。これで食後のコーヒータイムだ。

 今日は、とっても愉快だった。