国の原発行政に対峙し地方自治を打ちたてようとした結果、断罪された元福島県知事佐藤栄佐久さん、検察組織ぐるみの裏金作りをテレビに告発しようとする当日朝に同僚に逮捕・服役させられ口封じされた大阪高検公安部長三井環さん(下記映像以下連続で参照)、外務省官僚佐藤優さん、そして、厚生労働省局長村木厚子さん。さらに、今回最高裁への上告を棄却された国会議員鈴木宗男さんもおそらく暴走する検察の犠牲者である可能性が高い。あのお歳で実刑2年服役しなければならないとは、なんと気の毒なことか。
犠牲者は彼らだけではない。長期にわたって監禁され、検察官が作ったシナリオに同意させるための虚偽と脅迫に満ちた捜査手法のせいで、自殺に追い込まれた人々が彼らの周囲には何人もいる(佐藤栄佐久『知事抹殺』参照)。今回、ようやく村木厚子さんに関しては、検察の裏づけなしのお粗末捜査があかるみに出て、検察の目論見ははずれたが、検察に挙げられれば99.8パーセントは有罪判決が下されるのが、日本における司法の恐るべき現状だ。そういえば、霞ヶ関で公安官僚だった知人が現役検察官のことばを引用して言っていた。「世間知らずの裁判官をだますのは簡単なことだよ。」と。
これらの事件を知るほどに、冤罪防止のために「取調べの可視化」がぜひとも制定されるべきだと思う。検察官は悪質な取調べをやっていないなら、コソコソ逃げ隠れしないで、白日の下で仕事をすればよいのだ。これ以上、犠牲者を出してはいけない。特捜検察の「巨悪を眠らせるな」というかっこよいことばを聞くが、巨悪とはいったい誰なのか?検察にこそ目覚めていただきたい。
「捕えられて殺されようとする者を救い出し、虐殺されようとする貧困者を救い出せ。」箴言24:11