作詞 サトウ・ハチロー
百舌が枯木に 泣いてゐる
おいらはわらを たたいてる
わたひき車は おばアさん
こっとん水車も 廻ってる
みんな去年と 同じだよ
けれども足り無え ものがある
兄(あん)さの薪割る 音が無え
バッサリ薪割る 音が無え
兄さは満洲へ 行っただよ
鉄砲が涙に 光っただ
百舌よ寒くも 泣くで無え
兄さはもっと 寒いだぞ
一般に歌われ広まった歌詞では最後の部分が「百舌よ寒いと 鳴くがよい 兄さはもっと寒いだろ」となっているが、昭和10年(1935年)に発表された原詩は上のものだったそうである。意味は原詩のほうが通りやすい。筆者の胸をうったのはラジオから流れてくる原詞で歌われたものだった。歌詞の異同については→http://www.utagoekissa.com/mozugakarekide.html
それにしても昭和10年といえばこの国は軍国主義真っ盛りのころだった。よくもまあこんな反戦的、厭戦的な歌が当局に禁じられなかったものである。というよりも、サトウ・ハチローという人物ははらのすわった人物だったことをうかがわせる。今日は、8月15日。