苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

公協訳聖書プロジェクト

 神奈川のY教会のキリスト信徒Nさんという方から電話があった。著作権フリーで、教派的色合いなく、日本語として少々不自然でも、とにかく原典を忠実になぞった聖書翻訳をWEB上で始めているので、当ブログに載せた聖書翻訳に関するメモを用いたいとのこと。どうぞ、とかんたんに申し上げた。
 「でも同類のものなら、すでに電網聖書(World English Bible準拠)があるでしょう」と申し上げたら、「電網は数年前にストップしたまま」とのこと。調べてみたら、なるほど2002年3月3日でストップしている。旧約聖書はなく、新約聖書のうちパウロ書簡全部と黙示録が翻訳されないままになっている。というわけで、Nさんは、旧・新約、著作権フリー、原典に忠実なWEB聖書をつくろうという高い志なのだそうである。たしかに、そういう聖書があればなあと思うことがときどきある。
 ただ気になったのは一信徒だとおっしゃるNさんは、寄せられるであろうさまざまなコメントのいずれが「最良の写本」に忠実で適切だと、どのように判断するのだろうということ。もし聖書本文批評、聖書学、神学の素養が相当おありなのだとしたら、失礼なことを申し上げていることになるのだが、Nさんのことをよく存じ上げないので・・。多くの人の協力でコメントをもらい、聖書翻訳をするといっても、結局、最後にどのコメントを採用するかを決定するNさんが翻訳聖書を作っていくことになる。あたりまえのことだが。
 関心のある方は開いて見られるとよい。http://c11n.net/。ログインすればコメントを加えることができるようになっている。有益な助言をしてあげられたらよいと思う。
 ちなみに、筆者の知るかぎりでは、WEB上で無料公開されている日本語聖書としては、明治文語訳、大正改訳新約、口語訳の旧新約、ラゲ訳がhttp://bible.50webs.org/に公開されている。ほかに無教会の個人訳の新約聖書として、前田護郎訳、塚本虎二訳のWEB版もある。また、回復訳というウォッチマン・ニーの流れの団体が出している新約聖書があるが、まだちゃんと読んだことはない。

前田訳http://members2.tvnet.ne.jp/kishio/newbible/top_page.htm
塚本訳http://www.ne.jp/asahi/ts/hp/file7/file711_bible_00.html

 冬菜のおひたし。信州に住むようになって知った春の味覚。