苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

フォーサイス『祈りの精神』

 祈りに関する本として、もし一冊をといえば、この本を神学生におすすめしている。祈りに関する本は、尾山令仁師のものに始まり、若いころに何冊か読んだ。O.ハレスビー『祈り』は北欧敬虔主義から生まれたもので、無力の自覚が祈りのおいて重要と説いていた。E.M.バウンズ『祈りによる力』は偉大な聖徒たちが一日の二時間、三時間を祈りにささげたという実例集で学生時代、心燃やされ圧倒された。小畑進先生の『日々の祈り』は何度も味読した。だが、アンドリュー・マーレーのものは、なにを読んでも、どうも性に合わず、最後まで読みとおしたことがない。また体操ならぬロヨラ『霊操』は、読んだだけでわかる種類のものではなかった。
 フォーサイスの『祈りの精神』は聖書的な祈りというものが、東洋的瞑想やカトリック的静寂主義とは異なり、神との格闘であるということをきわめて説得的に迫力をもって明らかにしている。モーセ祈りヤコブ祈りアブラハム祈り、そして、主イエス祈りが、聖書的な祈りが神との格闘であることを示している。人格と人格の対決としての祈りといおうか。単に祈りのノウハウを知るというより、神を知るための一書。