苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

日食と十字架


「そのときすでに十二時ごろになっていたが、全地が暗くなって、三時まで続いた。
太陽は光を失っていた。また、神殿の幕は真っ二つに裂けた。」ルカ23:44,45

 一昨日の日食にちなんで、もう一度メモしておく。
 主イエスが十字架にかかった日の正午から暗闇が全地を覆ったことは、同時代の小アジア年代記記者フレゴンの記事においても証言されているから、文学的フィクションでなく歴史的事実であることが確認される。
「第202回のオリンピック大会の第4年目(すなわち西暦32-33年)、日食が起こった。それは古今未曾有の大日食であった。昼の第6時(すなわち正午)、星が見えるほどの夜となった。ビテニアに起こった地震でニケヤの町の多くの建物が倒壊した。」
Quarto autem anno CCII olympiadis magna et excellens inter omnes quae ante eam acciderant defectio solis facta; dies hora sexta ita in tenebrosam noctem versus ut stellae in caelo visae sint terraeque motus in Bithynia Nicae[n]ae urbis multas aedes subverterit.<以下、英訳>
In the fourth year, however, of Olympiad 202,* an eclipse of the sun happened, greater and more excellent than any that had happened before it; at the sixth hour, day turned into dark night, so that the stars were seen in the sky, and an earthquake in Bithynia toppled many buildings of the city of Nicaea. These things [are according to] the aforementioned man.

参照→http://www.textexcavation.com/phlegontestimonium.html
 しかし、これは通常の自然現象としての日食ではなかった。というのは、主イエスが十字架についたのは過ぎ越し祭のときであり、過ぎ越し祭は春分の後の満月の時に開催されたからである。満月のときには、日食は起こり得ない。それに、今世紀最大の日食といわれたおとといの日食でも数分にすぎないが、主が十字架にかかられたときの日食は、実に正午から午後三時までの三時間にわたった。まさに古今未曾有の異常な日食だった。
 主イエスの十字架を覆った闇は自然現象としての日食によるのではなく、超自然現象すなわち創造主による「しるし」つまりサインとしての日食であった。野球の監督が出すサインを選手が読み取らなければならないように、私たちも神からのサインを読み取らなければならない。あの暗闇は何を意味するサインであったのか?
参照→http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20090614/1244973959