苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

原発は環境にやさしい?


2006年がチェルノブイリ原発事故20周年で特集番組が組まれ、やっぱり原発は怖いなあというイメージが定着しそうだったが、昨年、一昨年、石油価格高騰の波に乗って「原発はコストが安い」と政府や電力会社が宣伝攻勢に出て、あっというまに原発が息を吹き返した。それにしても、原発が安上がりの電力だなんて、正気で言っているのか?イギリスでは電力を完全に自由化した結果、民間電力会社はみな原発をやめてしまった。放射性廃棄物を処理して何万年も管理し続けるコストまで枠に入れて考えれば、原発のコストは天文学的に高いからである。それでイギリス政府は国営で原発を細々と営んでいる。なんのためか?核兵器の材料プルトニウムを製造するためである。日本政府が原発にこだわるほんとうの理由はここにあるのかもしれない。
また、地球温暖化二酸化炭素排出量の関係が取り上げられると、「二酸化炭素を発生しない原発は環境にやさしい」と、これまた、大噴飯物プロパガンダを首相がする。チェルノブイリ事故を思い起こせば、原発が環境にやさしいなどとだれが思うものか。ウィキペディアを開けば、次のように書いてある。
ソ連政府は事故から36時間後にチェルノブイリ周辺の区域から住民の避難を開始した。およそ一週間後の1986年5月までに、当該プラントから30km以内に居住する全ての人間(約11万6千人)が移転させられた。ソビエトの科学者の報告によると、28,000km2が185kBq/m2を超えるセシウム-137に汚染した。約83万人がこの区域に住んでいた。約10,500km2が555kBq/m2を越えるセシウム-137に汚染した。このうち、ベラルーシに7,000km2、ロシア連邦に2,000km2、ウクライナに1,500km2が属する。約25万人がこの区域に住んでいた。これらの報告データは国際チェルノブイリプロジェクトにより裏付けられた。」
あのどこまで行っても地平線の人口閑散とした地域であって、この被害である。いったい、この人口過密の日本列島ではどういうことになるか。たとえば30年以内に90パーセント程度の確率で来るとされている東海巨大地震(兵庫県南部地震の15倍規模)で、震源域の中央に設置された浜岡原発の一基が破綻しただけで、夏場なら放射能が南西の風に運ばれて、6時間から8時間で静岡県山梨県、神奈川県、東京都、埼玉県、群馬県、千葉県、茨城県、栃木県、福島県の土壌と水源は放射能で汚染されてしまう。放射能の急性毒性で死んだ数万人以外は、強制移住となり、東海、関東は廃墟となる。移住した3000万人は移住先で餓え、原爆症で徐々に肉体を蝕まれて死んでいく。ああ、原発はなんと環境にやさしい発電システムであることか。
もっとも、チェルノブイリ周辺地域は廃墟となって23年たって、かつての畑には茨やおどろが生い茂り、狼の群れ、鹿の群れ、野うさぎなど野生動物の楽園となっているというレポートを見た。むろん彼らは汚染された水を飲み、草木を食べ物とするので、奇形動物が生まれ、甲状腺ガンでたくさん死んでいるのだが、それでも、人間の猟銃で組織的に駆除されていた時代に比べれば、ずっとましなのだろう。鹿たちも放射能で汚染されているから、狩猟の対象外なので安全なのである。そういう意味なら、たしかに原発は環境にやさしい。ちなみに、チェルノブイリとはニガヨモギのことだそうである。
「第三の御使いがラッパを吹き鳴らした。すると、たいまつのように燃えている大きな星が天から落ちて来て、川々の三分の一とその水源に落ちた。この星の名は苦よもぎと呼ばれ、川の水の三分の一は苦よもぎのようになった。水が苦くなったので、その水のために多くの人が死んだ。」黙示8:10、11

*100万人署名を!→http://www.stop-hamaoka.com/
*現在のチェルノブイリ
ゴーストタウン http://www.youtube.com/watch?v=lleQPaALSLo

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