苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

原発新設が止まらない訳


 原発は一基4000億円もする。そんなに高価な設備がなければ電力会社は維持できないのなら、さぞ経営がたいへんだと思うだろう。ところが、そうではない。電力会社は新しく原発を建設するほど儲かるのである。それは、電気事業法という法律のせいである。電気事業法によれば・・・
 <電力料金収入=原価+報酬>となっている。
 ただし、原価とは、発電所・送電設備建設費・保守管理費・燃料費・運転費用・営業費用の合計。そして、<報酬=原価×報酬率>となっている。報酬率は、現在は4.4パーセントである。電力事業法は、電力の安定供給のために、電力会社は絶対に損をしないように守っているのである。
 では、電力会社はどのようにしたら報酬を増やせるだろうか。<報酬=原価×報酬率>なのだから、かんたんな話だ。原価を高く維持することである。そこで、減価償却が進んでしまった古い発電所は,まだ使えても休止させて、1基4000億円の原発をどんどん造ることである。こういうわけで、原発建設は決してやまない。
 電気事業法を廃止すれば、電力会社は低いコストで電力を作る方法の開発に、本気で取り組むようになるだろう。だが電力会社の自民党への政治献金が手厚くなされているかぎり、電力事業法の廃止は実現しそうにない。ちなみに昨年9月の報道では、電力系16社の自民党への政治献金は四年間で一億円だそうである。
参照→http://www.nuketext.org/mondaiten_cost.html