苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

日本文化

戦争と原発は似ている。そして、日本は・・・

昨日、「原発新設からすべての英国企業が撤退した」という記事を紹介した。原発が核兵器の材料を作り出すからとか、地域社会を破壊するからとか、被爆労働を人々に強いることになるからといった道徳的理由ではない。福島の事故を受けて、安全対策のハードル…

日本人の宗教観

「いのちのことば」にこの間載せられた文章を、ここに置いておきます。少し加筆しました。 藤の豆・・・食べたことはまだありません。<追記>毒があるそうです。食べなくてよかった。 無神論教育 「死んでしまえば土に返るだけ。神なんていないよ。」高校生の…

『江戸の暮らし大全』

きのう妻と家庭訪問のあとスーパーマーケットに行ったら、面白い本を見つけた。「江戸の暮らし大全」という。雑誌「歴史人」2011年11月号だ。読んでいて飽きない。 書名リンク先の写真の下の黄色い「立ち読み」ボタンを押してください。矢印ボタンを押すと雑…

「葦原」のこと

ちょうど30年前、東京基督神学校1年生だったときの二学期、毎週月曜日夕食後に、数名の友人たちと有志の祈祷会を始めた。全国の田舎で苦闘している教会と連絡をとって、祈祷課題を寄せていただいて祈るという会である。「日本福音土着化祈祷会『葦原』」と名…

法隆寺の技術

奈良に住む姉に連れられて法隆寺を見に行った。筆者の関心の中心は、宮大工西岡常吉氏が本に書いていたその建造物である。法隆寺が建てられた時代には、のこぎりがなく、箱カンナもなかったから材木は斧で割り、槍鉋でしあげたヒノキ材でできている。その事…

大相撲の奥深さ

大相撲八百長問題は、もうニュースとして旬が過ぎたようである。ずいぶん前、そう311地震の前に書いた記事であるが、忙しくて新たな文章を起こせないので、これを公開する。異論反論歓迎します。 図書館に行ったら「サンデー毎日」があって、大相撲八百長問…

大相撲村と原発村

かねてから大相撲村の八百長体質と、原発村の八百長体質は似ているなと思っていたが、奇しくもその内情をこの世に曝してしまった時期まで同じだった。だが、大相撲の八百長の実害はさしたるものではないが、原子力村の実害はあまりにも大きすぎる。 相撲には…

小布施の栗おこわ

きのうは車の手続きのために家内と長野市の陸運局に出かけた。少し時間に余裕があったので、何年も前から行ってみたいと言われていた小布施まで昼飯をと足をのばしてみることにした。中野インターで降りて小布施方面に向かうと、広々とした果樹園の中を抜け…

Namahagesaurus

↓この恐竜、子どもを泣かせて喜んでいます。その名「Namahagesaurus」。 ↓こちら本物。やっぱり、こっちのほうが怖いな。 東北出身の友人が、幼いころにしたナマハゲ体験は自分のトラウマになっていて、決してよいものではないと話していた。「悪い子はいね…

ひな祭り雑感    追記あり3月4日

今日は三月三日で、耳の日である。別名、ひな祭りの日ともいう。ひな祭りは、「お内裏様とお雛様・・・」ということで、お内裏さまとは天子を意味する。領主をその住まいである館から「お館さま」と呼ぶのと同じように、天子を婉曲に呼ぶ呼び方として「お内…

海はつなぐ

昨日のイスラム進出とヨーロッパ中世の始まりの記事のなかで「一般に、海というものは隔てるのではなくて、つなぐものだという認識は歴史理解の上でとても大切である。トラックや鉄道のない時代、陸路では大量の物資も多くの人をも運ぶことは困難であった。…

御柱祭りで死者3名

御柱祭りといえば、諏訪大社の、特に大木に氏子たちがまたがって急斜面を下る、危険極まりない木落としが有名であるが、信州一円の諏訪神社の支社でも、やはり7年目ごとに(実質6年ごと)御柱祭りがある。しかし、危険をともなうのは「木落し」だけでない…

いちご大福

いちご大福が出現したのは、私たちがまだ練馬の大泉にいた昭和の終りころだった。最初は、だれもがそんなミスマッチなもの、と思った。イチゴはショートケーキをはじめ洋菓子の果物と決まっていたからである。最初に作った人だって、きっと冗談で作ったのだ…

国文学者をめざした頃

筆者が生まれ育ったのは須磨で、小学生4年生までは平家ゆかりの須磨寺町に住んでいた。須磨寺は真言宗の本山のひとつであったから、かなり広い境内だった。寺の伽藍からかなり離れた場所にあった我が家も地代を寺に納めていたから、本来の境内地はさらに広大…

向学心

最近、はじめてNHK高校講座で世界史、地学、数学の番組を見た。我が家にはテレビはないのだが、インターネットで講座内容が4月からの毎週の講義が公開されているのである。数学は教え方が非常に洗練されていて、わかりやすく、おもしろい。地学は東京天文…

『葉隠(はがくれ)』(その1)

「武士道とは死ぬことと見つけたり」ということばで有名な『葉隠』である。本書は佐賀鍋島藩藩士山本常朝の作であり、すでに戦国期の実戦的な武士の時代ははるか遠くになって、ひたすら忠義のために生き、忠義のために死ぬという江戸期の武士道の精神を表す…

日本人の遵法精神

日本人はなぜはるか遠くまで車が全然見えなくても、赤信号ならば横断歩道を前に立ち止まっているのだろうか。もちろん、横断歩道をわたっていく日本人もいるが、それでも多くの場合心の隅に小さな抵抗を感じているのではなかろうか。日本人が遵法精神に満ち…

中国と日本の遵法精神

昨年中国四川に出かける機会があり、北京経由で出かけた。中国に前回出かけてから、もう二十年もたってしまった。北京の超巨大な世界最大という空港にはあきれてしまった。大きすぎてとても不便である。高層ビル、高速道路など、中国の町はまったく美しく様…

岐阜 長良にて

昨日、今日と長良キリスト教会で、創世記1章から3章から、四回にわたってお話をさせていただいた。総合主題は「神の栄光をあらわす人生」 第一回目は神の摂理の下に生きることについて、第二回目は聖書から見た環境問題、第三回目は結婚生活について、第四回…

古代キリスト教伝来説 まとめ  追記2016年12月16日

景教の研究で有名な佐伯好郎博士は1908年(明治41年)論文「太秦(うずまさ)を論ず」において、京都の太秦寺のイスラエルを連想させる「いすらい井戸」や三位一体を連想させる「三柱鳥居」や「イエス・メシアハ」の音を連想させる「うずまさ」という地名な…

日本人は全員渡来人

日韓共催のワールドカップを控えた2001年12月23日、明仁天皇が68歳の誕生日に先立つ記者会見の席で、「桓武天皇の生母は百済の武寧王の子孫であると『続日本紀』に記されていることに韓国とのゆかりを感じています」と述べて話題になったことがあった。歴史…

日本人のDNA

外国には一つの国の中で複数の言語が通用している例がままあるのを見て、多くの人は、「日本人は言語はひとつだし、島国で単一民族だ」というイメージをまず抱き、そして、「いやいや北海道にはアイヌの人々が住んでいるのだ」と頭の中で訂正する。筆者もそ…

古代のキリスト教伝来 思いつくまま

神学校図書館で佐伯好郎『景教の研究』を借用してきて読んでいる。 ペンテコステと古代の世界宣教を調べていたら、十二弟子のひとりトマスのアッシリヤ地域、インド宣教、さらに彼が初代大主教として創設したアッシリヤ東方教会による唐代の中国宣教のことま…