苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

主は常に真実

そこで、アブラハムは神に祈った。神はアビメレクとその妻、および、はしためたちをいやされたので、彼らはまた子を産むようになった。(創世記20:17)

 あれほどとりなし祈り、神は答えてくださったはずなのに、ソドムは滅ぼされてしまった。アブラハムがソドム除名のために挙げた「十人の正しい人」がソドムにはいなかったのである。絨毯爆撃のあとのようなソドム滅亡の惨状を見て、衝撃を受けたアブラハムは、ネゲブへと急きょ避難する。虚無的な気分にとらわれていたのである。この時点では、甥のロトもソドムと一緒に滅びたものだとばかり、思っていたであろう。アブラハムの心はすさんでいた。そうして、かつてエジプトで犯したのと同じ過ちを犯す。妻を妹と偽り、彼女は領主アビメレクに召し上げられてしまう。
 しかし、ここに神が介入してアビメレクの家を撃ち、女性たちはみな子を産めないからだとし、アビメレクに彼女はアブラハムの妻だ、手を出すなと警告を与えた。アビメレクは震え上がって、アブラハムに妻を返し、自分の負担で相互不可侵条約を結ぶ。みっともない言い訳をするアブラハムよりも、アビメレクのほうがよほど立派な紳士に見える。
 だが、それにもかかわらず、主はアブラハム祈りを聞き届けられた。彼は虚無的になり、卑怯者になっていたが、主は彼をご自分の器としておられた。神の選び。神の真実。

「私たちは真実でなくても、彼は常に真実である。彼にはご自身を 否むことができないからである」Ⅱテモテ2:13