苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

私にならう者と

「ですから、私はあなたがたに勧めます。どうか、私にならう者となってください。」1コリント4:16


 「私はパウロにつく」「私はアポロに」「私はケパに」と揺れ動いているというコリント教会の騒動の噂を耳にして、パウロは心痛めて手紙を書いている。そして、「私にならう者となるように」と勧める。「キリスト・イエスにある私の生き方」(4:17)に倣いなさいというのである。
 大胆な勧めだなと読むたびに思ってきた。教える立場にある者としては、「私を見ないでキリストを見てください」と逃げたくなるところだ。だが信仰の真理というのは、ことばは大事だが、ことばだけの知識の切り売りですむものではなく、たしかに模範によって伝えられるものなのだ。
 もちろん、パウロは自分が完全な人間であるなどとは思っていない。それどころか「罪人のかしら」であると自覚している。しかし、その弱さのうちに働くキリストにある神の力によって、日々悔い改めつつ生かされている、この私に倣って生きよというのだろう。