苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

「あなたはどこにいるのか?」

 次の主の日「あなたはどこにいるのか?」という題で、創世記3章から夕礼拝の説教をする予定です。このことばを読むとかならず思い出すのですが、説教にはふさわしくないのでお話したくてもできないことがあります。
学生時代にキルケゴールを教えてくださった小川圭治先生は、もともと京都大学で理論物理を勉強していて、その後、キリスト教神学の研究に転じた方です。先生が、他大学で教鞭をとる立場になって、ずっと後(30年ほど後でしょうか)、京都で講演会に招かれたそうです。その講演題として、創世記3章9節の主がアダムに呼びかけられた「あなたはどこにいるのか?」を掲げられたそうです。
 そうしたら、その講演会に、先生の同年輩とおぼしき一人の女性が来られたのだそうです。その女性は「あなたはどこにいるのか?」という講演題を読んで、小川先生がこの題に仮託して自分をさがしているのだと思い込んで、何十年ぶりで先生に会いに来たというのです。「いやーびっくり、冷や汗ものでした」色白の先生が顔を真っ赤にして笑っていらしたのを思い出します。
 あのO先生も天に召されたと三年ほど前、風の便りに聞きました。