苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

高浜1号機、2号機合格にかんする、政府と関電の思惑を推測すると

 高浜原発4号機を無理やり再稼動させましたが、緊急停止になりました。原発は4年も止めておけば、必ず壊れるのですから、あたりまえの結果です。
規制委員会が再稼動OKを出した高浜原発1号機というのは、日本で二番目にもろくなっていて、運転時に地震が起きて緊急停止に95℃のお湯をかけても割れてメルトダウン・爆発する「ガラスの原発」です。

高浜原発が破綻した場合、西から東南へ吹く風で琵琶湖が放射能汚染され、淀川の水が汚染され、関西は水源地を失います。北陸の穀倉地帯も失います。金沢もおしまいですし、日本の伝統そのものといってもよい京都もおしまいです。風船の実験では岐阜県もおしまいでした。「保守」を自称する現政権ですが、いったい何を保守したいのでしょう?ふつう保守主義が保守するものというのは、伝統文化なのですけど、彼らの場合は目先のお金や権力なのかもしれません。

調べてみればわかることですが、すべては電力の安定供給のためでは決してなく、関西電力が経営破たんしないためになされていることです。これは関電自身が言明したことです。政府が恐れているのは、関電・東電など電力会社が経営破たんすれば、日本経済全体が傾き、それでなくてもすでに失敗しているアベノミクスが、覆い隠しようもなく崩壊することなのでしょう。そうしたら、安倍さんはお爺ちゃんに誓った改憲ができなくなりますからね。

関電がポンコツの1号機、2号機を本気で再稼動するつもりであるとは、常識では考えにくいのです。ではなぜ、規制委員会がOKを出したかといえば、例の「総括原価方式」で電力料金を高く維持するために、原発がゴミでなく発電のために有効な資産であるという建前にしておくことが必要だからでしょうね。総括原価方式では発電のための有効な資産は経費とされるのですが、ゴミになれば原発施設が不良債権化してしまいます。でも、これまでの原子力行政の異常さを見て来ると、もしかするとあの人たちは本気でガラスの原発を再稼動するつもりなのかもしれませんが。