苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

改憲するために戦争?

 「日中開戦『僅か5日』で敗北、米国は尖閣を見捨てる」という論文をリンク先で読みました。米国の権威ある外交専門誌「Foreign Policy」に掲載された尖閣諸島を舞台とした日中衝突、日米同盟の顛末についての机上演習の結果が記されています。
http://agora-web.jp/archives/1667274.html

<1日目>
日本の極右が尖閣諸島に日本国旗を立てたことに対し、中国が艦船を派遣して日本の活動家を拘束する。

<2日目>
日本は艦船と戦闘機を尖閣諸島に派遣。日本は日米同盟の履行を求め、米国は日本本土防衛への支援と日本沿岸への潜水艦の派遣。

<3日目>
衝突発生後、中国の艦船が日本の艦船2隻を撃沈、米国潜水艦も中国の駆逐艦2隻を撃沈、死者数百名に。

<4日目>
中国のサイバー攻撃によって、カリフォルニアの送電システムが被害を受けてロサンゼルスとサンフランシスコが大停電、ナスダックのシステムが操作されて金融パニック発生。中国のミサイル攻撃で自衛隊は深刻な打撃を受ける。

<5日目>
中国は日本の海上兵力の20%を掃討し、日本の経済的な中心地に狙いを定める。米国は日本からの中国船に対する攻撃依頼を拒否、代わりに自衛隊の撤退を支援。中国は勝利宣言を実施。

 詳細はリンク先を読んでいただければよいのですが、恐ろしく思ったのは平然とした筆致で記された次の一節です。

改憲派で衆参の3分の2を占めることに成功したとしても、国民投票憲法改正に対して過半数からの賛同を得ることは極めて困難だと思います。そのため、実 際の憲法改正には『日中の軍事的な衝突』が現実の脅威として日本国民に意識される必要があります。したがって、日中間での限定的な戦争が行われる可能性が上昇しています。」

 万が一の戦争に備えるために改憲するのではなく、改憲するために戦争をするだろうというのです。現政権であれば、それもありえなくないと思われるのが、情けない。
 なお、論文の趣旨は、日本政府は限定的に日中戦争をすれば勝てると誤解しているけれど、ミサイル戦争となればまったく勝ち目はないのだから、日本政府は戦争を始めるべきではないし、もし始めたら米軍は深入りしてはいけないというものです。