http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20130102/p1
リンク先の趣旨は次のとおりです。
1.社会の安定のためには精神的権威が必要である。
2.近世までのヨーロッパには教権(教会)と俗権(国王)という二つの精神的権威があった。
3.英国のピューリタン革命では専制化した俗権を倒したが、教会は維持し強化したので無法状態には陥らなかった。むしろ政教一致的な専制化となったので、反動が生じたが、最終的に名誉革命で立憲君主制で収まった。英国の立憲君主制は、中世のマグナカルタ以来の、英国の伝統に根ざしたものである。
4.フランス革命では伝統に根ざす俗権と教権をともに無神論・合理主義的価値観でもって倒したために、社会が無法状態に陥り、革命は暴走して自国民を大量粛清してしまった。この種のことはロシア革命、毛沢東革命、ポルポト革命でも起こった。合理主義的価値だけでは、社会は安定しないのである。
5.君主制の対義語は民主制ではなく、共和制である。民主的君主制もあれば、民主的共和制もあり、専制的君主制もあれば、専制的共和制もある。肝心なことは、君主制であれ共和制であれ、民主的であることである。そのために肝心な装置は、立憲主義を確立することである。つまり、憲法によって権力をしっかりと制限することである。
6.天皇の伝統とはなにか?自民党極右は、明治以降の専制的天皇制をその伝統であると思い込んでいるがこれは間違いである。明治以降から敗戦にいたる専制的天皇制は、皇室の伝統にそむく異形のものであり、それゆえに倒れたのだ。天皇を元首化し専制的天皇制を復興しようとする自民右翼の動きは、保守主義でなく無知蒙昧なクーデター主義である。
日本の天皇制の伝統とは、平安期から江戸時代まで1000年以上、そして戦後70年間の長きにわたる象徴天皇制である。