苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

ローズンゲン5月27日  みなしごとやもめの神

ゼカリヤ7:9、10

文語訳「萬軍のヱホバかく宣へり云く正義き審判を行ひ互に相愛しみ相憐め 7:10寡婦孤兒旅客および貧者を虐ぐるなかれ人を害せんと心に圖る勿れと」

口語訳「万軍の主はこう仰せられる、真実のさばきを行い、互に相いつくしみ、相あわれみ、 7:10やもめ、みなしご、寄留の他国人および貧しい人を、しえたげてはならない。互に人を害することを、心に図ってはならない」。

新改訳「万軍の【主】はこう仰せられる。「正しいさばきを行い、互いに誠実を尽くし、あわれみ合え。
7:10 やもめ、みなしご、在留異国人、貧しい者をしいたげるな。互いに心の中で悪をたくらむな。」


新共同訳「正義と真理に基づいて裁き、互いにいたわり合い、憐れみ深くありなさい。10 やもめ、みなしご、貧しい者らを虐げず 互いに災いを心にたくらんではならない」
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 人間は生まれながらには、能力も、生家の経済力も、不平等である。しかも、富はあるところにさらに集まる性質を持っているから、富むところにはますます富が集まり、貧しい者はますます窮乏する。その格差を是正することが政治の役割であり、それが「公正なさばき」である。
 ところが、預言者ゼカリヤの時代、イスラエルの国はそれを怠った。ゆえに、この国は滅亡させられ、世界中に散らされた。
「7:11ところが、彼らは聞くことを拒み、肩をそびやかし、耳を鈍くして聞きいれず、 7:12その心を金剛石のようにして、万軍の主がそのみたまにより、さきの預言者によって伝えられた、律法と言葉とに聞き従わなかった。それゆえ、大いなる怒りが、万軍の主から出て、彼らに臨んだのである。・・・ 7:14『わたしは、つむじ風をもって、彼らを未知のもろもろの国民の中に散らした。こうして彼らが去った後、この地は荒れて行き来する者もなく、この麗しい地は荒れ地となったのである』」。
 市場原理主義とか自由主義経済をかかげる現代日本は、同じ道をたどりつつある。まことの神は、権力者や富者の神でなく、みなしごとやもめの神である。