苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

キリスト者として選挙でどの人、どの党を選ぶか

 むかしから、クリスチャンとして、どういう政党を選ぶかということをいろいろ考えてきました。
 結局、聖書にガイドを求めることにしました。
 ローマ書13章1-7節から、神様が政治家に託している務めは、①社会秩序の維持(剣の権能、司法、国防)と ②富の再分配によって貧富の格差をほどほどに是正することであると学びました。
 また、黙示録13章から、悪魔が政権担当者に影響を与えるとき、③侵略戦争に走り、④偽預言者をもちいて国家崇拝を強要し、神の民を迫害するということを学びました。
 というわけで、
1.社会秩序を適正に維持し
2.貧富の格差を是正し(大企業・金持ちにえこひいきせず、社会的弱者に配慮し)
3.軍備拡張・侵略戦争に走らず、
4.思想統制・情報操作をしない。

 これらが選択基準ということになりました。この基準に照らして該当する政党や人物がないばあい、時代の動向を観察して、1〜4が社会に実現するような方向を意図して、政治バランスを考えて選択をするということになります。


<追記 12月15日>
「1」については、さほどどの党はも変わらないのではないかと思います。
「2」については、現政権は貧富の格差を広げる政策を実行し、実際、そのようになっています。大企業の内部留保は史上空前となり、実質賃金は下がっており、社会福祉は軽んじています。他方、平等を志向しているのは日本の共産党です。中国はちがいます。
「3」については、現政権は軍拡志向です。極東の軍事バランスに敏感なのか、米国のご機嫌取りなのか、軍需産業を潤すためなのか理由はよくわかりませんが。
「4」についてぶっちゃけていえば、自民党の本音(党是)は靖国神社国家護持ですし、公明党の本音は法華経を帰依せず邪宗を信仰すれば国難が生じて国が滅ぶと主張した立正安国論ですし、共産党は現段階はともかく本音(理想)は私有財産の社会化です。こういうことからいえば、彼らが理想を追求するようになれば、思想統制するでしょう。もしその党に圧倒的多数の議席を託したなら、自分の理想を推進するために反対者を弾圧するでしょう。だから、特に国政において圧倒的多数の議席をこれらの党に与えるのは危険なことです。キリスト者は、無神論共産党に入れるべきでないということを主張する人が結構いますが、もしそういうなら、国家神道を理想とする自民党も、日蓮上人をあがめる公明党も入れてはいけなくなるでしょう。

 というわけで、完全に支持できる政党はありません。選挙民としては、4点にかんしてバランスの取れたベストミックスの国会をつくることを考えるほかないように思います。

 聖書を読むと、この世の政治に期待しすぎるなと教えているように思います。上の4点は言い換えれば、<悪い人たちをきちんとりしまり、金持ちの味方ばかりせず社会的弱者に配慮し、軍拡や戦争をせず、国民の思想信条まで支配しようとしない>そういう政治が実現するように選挙に臨むべきだということになるでしょう。