苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

アベノミクスは貧困国と富裕国をつくっている


 「予算は一億円ぐらいです」。東京・西新宿のタワーマンション展示場。モデルルームに毎週末約百組が訪れる。医師の男性(36)は言う。会社員男性(51)は一戸建て住宅から買い替え予定。「持っている株が値上がりした。売却して購入資金に充てます」

 自動車販売が減り続ける中、フェラーリなど高級輸入車も前年より好調だ。

 安倍首相のアベノミクスによる日銀の金融緩和や円安を追い風にした大企業の収益増で、政権発足以来、日経平均株価は約七〇〇〇円上昇。カナダ・ロイヤル銀行(RBC)などによると二〇一三年時点で日本で百万ドル(現時点では一億一千八百万円)以上の資産を持つ富裕層は、前年から四十二万人増えた。彼らの資産(株や預貯金、投資用不動産)の総額は約百二十七兆円も増え、六百五十二兆円に膨張。一握りの富裕層へ富が集中し、彼らの消費は消費税増税後も盛んだ。

   □  □  □   
(中略)

 安倍首相は「一人一人に果実を行き渡らせる」と公約、円安などで企業に稼がせ、恩恵を労働者にもたらすはずだった。だが、頼れる労働組合もない不安定な派遣、パートなど非正規労働者が一三年は前年から九十三万人増え、労働者の約37%に達した。

 「貧困国と富裕国の二つの国をつくっているようだ」。立命館大学の高橋伸彰教授が言う。設備投資や輸出が増え、雇用や賃金も改善する好循環が軌道に乗らない中、富裕層や大企業に富が偏り、中低所得者は豊かさを実感できない。金融資産を持つ余裕のある人は69%に低下、「貯金ゼロ」の人が増える。小泉政権下の派遣法改正は格差拡大のきっかけとなった。アベノミクスは金融資産も含め格差を広げており、大和田滝恵(たきよし)上智大教授は「日本を支えてきた中間層がさらに縮小するおそれがある」と指摘する。 (木村留美、我那覇圭)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014112302000202.html


 思うに、首相が日常的に接する人々とは、億ションフェラーリを物色するような233万人(人口の2パーセント)に属する人々なのでしょう。だから、衆議院解散後ニュース番組に出演して、国民の98パーセント占める庶民の一人にマイクが向けられて「アベノミクスで景気がよくなったと実感できない。生活が苦しい。」と言っているのを見ると、「テレビ局が意図的に選んでるでしょ!」などと激高するわけです。これほど客観的にものが見えない人が指導者では困り者です。