上京する用事があったので、帰りに上野の都立美術館で開催されている「女王と女神」展で、古代エジプト最初の女王ハトシェプストの展示を見てきました。私は以前から、出エジプト記2章の赤ん坊のモーセを救った「エジプトの王女」はハトシェプストであろうと読んでいたので、気になっていたんです。
彼女が古代エジプト王朝のなかでわずか3人の女王のうち最初であり、かつ、唯一の成功者であるという簡単な紹介と、彼女がどうして王となったか、その治世は平和主義に基づくものであったという説明以外、特別な解説はありませんでした。
博物館とか美術館で、展示物を見て歩くのは、私は得意なほうではないのですが、今から3500年も前にエジプトにいた女王が実際に使っていたという化粧道具を見て、不思議な感覚がありました。また、側室が生んだ息子トトメス3世に憎まれて、死後、破壊された彫像が痛々しく感じました。上の首像も、もともと全身像だったのです。