苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

黙示録13章:全体主義的権力の本質と振る舞い

 ヨハネ黙示録13章は、皇帝崇拝を求めた時代の古代ローマ帝国の振る舞いとその黒幕を記すと同時に、いずれの時代のいずれの地域であっても、悪魔の影響を受けた国家権力に共通する生態を描写して、私たちに時代を見る眼を与えています。


<登場者紹介>
海から上ってきた第一の獣(1節)=あの権力者
龍(2節)=悪魔
地から上ってきた第二の獣(11節)=偽預言者・国民教育機関
神の幕屋(6節)=神の民
小羊=キリスト(8節)

<あの権力者の黒幕は悪魔である>
13:1わたしはまた、一匹の獣が海から上って来るのを見た。それには角が十本、頭が七つあり、それらの角には十の冠があって、頭には神を汚す名がついていた。 13:2わたしの見たこの獣はひょうに似ており、その足はくまの足のようで、その口はししの口のようであった。龍は自分の力と位と大いなる権威とを、この獣に与えた。

<あの権力者は民に崇拝(絶対服従)を求める>
13:3その頭の一つが、死ぬほどの傷を受けたが、その致命的な傷もなおってしまった。そこで、全地の人々は驚きおそれて、その獣に従い、 13:4また、龍がその権威を獣に与えたので、人々は龍を拝み、さらに、その獣を拝んで言った、「だれが、この獣に匹敵し得ようか。だれが、これと戦うことができようか」。 13:5この獣には、また、大言を吐き汚しごとを語る口が与えられ、四十二か月のあいだ活動する権威が与えられた。  

<あの権力者は神の名をけがし神の民を迫害し、他国の侵略を企てる>
 13:6そこで、彼は口を開いて神を汚し、神の御名と、その幕屋、すなわち、天に住む者たちとを汚した。 13:7そして彼は、聖徒に戦いをいどんでこれに勝つことを許され、
 さらに、すべての部族、民族、国語、国民を支配する権威を与えられた。 13:8地に住む者で、ほふられた小羊のいのちの書に、その名を世の初めからしるされていない者はみな、この獣を拝むであろう。 13:9耳のある者は、聞くがよい。 13:10とりこになるべき者は、とりこになっていく。つるぎで殺す者は、自らもつるぎで殺されねばならない。ここに、聖徒たちの忍耐と信仰とがある。

<あの権力者は偽預言者教育機関)をもちいて国民を国家崇拝に洗脳する>
 13:11わたしはまた、ほかの獣が地から上って来るのを見た。それには小羊のような角が二つあって、龍のように物を言った。 13:12そして、先の獣の持つすべての権力をその前で働かせた。また、地と地に住む人々に、致命的な傷がいやされた先の獣を拝ませた。 13:13また、大いなるしるしを行って、人々の前で火を天から地に降らせることさえした。 13:14さらに、先の獣の前で行うのを許されたしるしで、地に住む人々を惑わし、かつ、つるぎの傷を受けてもなお生きている先の獣の像を造ることを、地に住む人々に命じた。 13:15それから、その獣の像に息を吹き込んで、その獣の像が物を言うことさえできるようにし、また、その獣の像を拝まない者をみな殺させた。

<あの権力者は経済による思想統制を行う>
  13:16また、小さき者にも、大いなる者にも、富める者にも、貧しき者にも、自由人にも、奴隷にも、すべての人々に、その右の手あるいは額に刻印を押させ、 13:17この刻印のない者はみな、物を買うことも売ることもできないようにした。この刻印は、その獣の名、または、その名の数字のことである。 13:18ここに、知恵が必要である。思慮のある者は、獣の数字を解くがよい。その数字とは、人間をさすものである。そして、その数字は六百六十六である。

(聖書本文は口語訳聖書です。)