苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

帝国のふるまい

23:25ヨシヤのように心をつくし、精神をつくし、力をつくしてモーセのすべての律法にしたがい、主に寄り頼んだ王はヨシヤの先にはなく、またその後にも彼のような者は起らなかった。(列王記下)

 ヨシヤによる改革は彼一代のあだ花に終ってしまった。このことをもって、ヨシヤの改革は急進的にすぎたから云々と批判する文章をむかし読んだことがあるけれど、いかがなものか。神のことばである聖書は、ヨシヤの改革についてなんら否定的な評価をくだしてはいない。
 ヨシヤ王は徹底的に偶像破棄をして、王国を主に立ち返らせようと努力したけれども、主はすでにエルサレムに対する処断を決定しておられた。先代のマナセ王の偶像礼拝と罪なき者たちの血をおびただしく流した罪のゆえである。

23:26けれども主はなおユダにむかって発せられた激しい大いなる怒りをやめられなかった。これはマナセがもろもろの腹だたしい行いをもって主を怒らせたためである。 23:27それゆえ主は言われた、「わたしはイスラエルを移したように、ユダをもわたしの目の前から移し、わたしが選んだこのエルサレムの町と、わたしの名をそこに置こうと言ったこの宮とを捨てるであろう」。


 ヨシヤ王はエジプトのパロのアッシリヤ遠征を妨げて討たれ、ヨシヤの後にエホアハズが一時王として擁立されるが、パロによって退けられて、エリヤキムが、パロの好みでエホヤキムと改名までされて傀儡政権として立てられる。ユダ王国の国民はエジプトに朝貢するために重税を課されて苦しむことになる。
 こうした帝國のやり口は、ローマ帝国の時代、そして、大航海時代スペイン帝国や、その後の大英帝国、そして、現代のソ連や米国にいたるまで判で押したように同じである。先の大戦後、米国はCIAのスパイ岸信介をはじめ傀儡の自民党政権に莫大な政治資金を注ぎ込んだ。もちろん日本の政治資金規正法違反である。他方、あの時代、ソ連のスパイ野坂参三日本共産党の議長となっていたが、後に発覚して晩年になって党から除名されている。なんだか映画のような事実。事実は小説よりも奇なりだ。あの東西冷戦の時代、世界中の国々で同じようなことがあったのだろう。
 それにしても、聖書は面白い。
 http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20100306/p1

23:29ヨシヤの世にエジプトの王パロ・ネコが、アッスリヤの王のところへ行こうと、ユフラテ川をさして上ってきたので、ヨシヤ王は彼を迎え撃とうと出て行ったが、パロ・ネコは彼を見るや、メギドにおいて彼を殺した。 23:30その家来たちは彼の死体を車に載せ、メギドからエルサレムに運んで彼の墓に葬った。国の民はヨシヤの子エホアハズを立て、彼に油を注ぎ、王として父に代らせた。
(中略)
23:34そしてパロ・ネコはヨシヤの子エリアキムを父ヨシヤに代って王とならせ、名をエホヤキムと改め、エホアハズをエジプトへ引いて行った。エホアハズはエジプトへ行ってそこで死んだ。 23:35エホヤキムは金銀をパロに送った。しかし彼はパロの命に従って金を送るために国に税を課し、国の民おのおのからその課税にしたがって金銀をきびしく取り立てて、それをパロ・ネコに送った。
23:36エホヤキムは二十五歳で王となり、エルサレムで十一年の間、世を治めた。母はルマのペダヤの娘で、名をゼビダといった。 23:37エホヤキムは先祖たちがすべて行ったように主の目の前に悪を行った。(列王記下)