苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

王の罪、民の罪

20:21ヒゼキヤはその先祖たちと共に眠って、その子マナセが代って王となった。
21:1マナセは十二歳で王となり、五十五年の間、エルサレムで世を治めた。母の名はヘフジバといった。 21:2マナセは主がイスラエルの人々の前から追い払われた国々の民の憎むべきおこないにならって、主の目の前に悪をおこなった。 21:3彼は父ヒゼキヤがこわした高き所を建て直し、またイスラエルの王アハブがしたようにバアルのために祭壇を築き、アシラ像を造り、かつ天の万象を拝んで、これに仕えた。 21:4また主の宮のうちに数個の祭壇を築いた。これは主が「わたしの名をエルサレムに置こう」と言われたその宮である。 21:5彼はまた主の宮の二つの庭に天の万象のために祭壇を築いた。 21:6またその子を火に焼いてささげ物とし、占いをし、魔術を行い、口寄せと魔法使を用い、主の目の前に多くの悪を行って、主の怒りを引き起した。 21:7彼はまたアシラの彫像を作って主の宮に置いた。主はこの宮についてダビデとその子ソロモンに言われたことがある、「わたしはこの宮と、わたしがイスラエルのすべての部族のうちから選んだエルサレムとに、わたしの名を永遠に置く。 21:8もし、彼らがわたしが命じたすべての事、およびわたしのしもべモーセが命じたすべての律法を守り行うならば、イスラエルの足を、わたしが彼らの先祖たちに与えた地から、重ねて迷い出させないであろう」。 21:9しかし彼らは聞きいれなかった。マナセが人々をいざなって悪を行ったことは、主がイスラエルの人々の前に滅ぼされた国々の民よりもはなはだしかった。
21:10そこで主はそのしもべである預言者たちによって言われた、 21:11「ユダの王マナセがこれらの憎むべき事を行い、彼の先にあったアモリびとの行ったすべての事よりも悪い事を行い、またその偶像をもってユダに罪を犯させたので、 21:12イスラエルの神、主はこう仰せられる、見よ、わたしはエルサレムとユダに災をくだそうとしている。これを聞く者は、その耳が二つながら鳴るであろう。 21:13わたしはサマリヤをはかった測りなわと、アハブの家に用いた下げ振りをエルサレムにほどこし、人が皿をぬぐい、これをぬぐって伏せるように、エルサレムをぬぐい去る。 21:14わたしは、わたしの嗣業の民の残りを捨て、彼らを敵の手に渡す。彼らはもろもろの敵のえじきとなり、略奪にあうであろう。 21:15これは彼らの先祖たちがエジプトを出た日から今日に至るまで、彼らがわたしの目の前に悪を行って、わたしを怒らせたためである」。
21:16マナセはまた主の目の前に悪を行って、ユダに罪を犯させたその罪のほかに、罪なき者の血を多く流して、エルサレムのこの果から、かの果にまで満たした。(列王記下20章21−21章16)

 神を畏れ善政を行なった王ヒゼキヤのあと、彼の子マナセが王位を継ぐ。彼は文字通り不肖の子で、南ユダ王国史上、最悪の王となり、父が壊した「高き所」を再建し、バアル、アシュタロテを拝み、天体崇拝をし、子どもをこうした異教の神々への人身犠牲としてささげ、占い、魔術、口寄せなどあらゆるオカルトを国中に流行らせた。幼児をいけにえとするのはカナン土俗の宗教だったようで、20世紀になってエリコの町が発掘されたとき、神殿の祭壇部からおびただしい赤ん坊のいけにえが収められた壷が発見された。その写真を、以前、考古学の本で見たことがある。
 主はマナセの罪を理由として、エルサレムを滅ぼされる。王の罪は、王ひとりの処罰では終らない。なぜなら、王の罪は国中の民を自分の罪に巻き込み、共犯者としてしまうものだからである。

 どこかの国の指導者が、世界一安全だといって危険な原発を売りまくり、参院選挙が終った翌日には長年、先の戦争の反省に立ち平和主義の国家として自らに課してきた制約である武器輸出三原則をかなぐりすてることを表明した。これが「第三の矢」なのだろう。長年三原則の撤廃を求め続けていた兵器産業(死の商人たち)は泣いて喜んでいるだろう。
 だが、こういう人を指導者として選んでしまった私たち国民も罪をまぬかれないのだろう。なお祈るほかない。

2:1 そこで、まず初めに、このことを勧めます。すべての人のために、また王とすべての高い地位にある人たちのために願い、祈り、とりなし、感謝がささげられるようにしなさい。 2:2 それは、私たちが敬虔に、また、威厳をもって、平安で静かな一生を過ごすためです。 2:3 そうすることは、私たちの救い主である神の御前において良いことであり、喜ばれることなのです。(2テモテ2:1−3)