苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

人を恐れるとわなにかかる

16:1レマリヤの子ペカの第十七年にユダの王ヨタムの子アハズが王となった。 16:2アハズは王となった時二十歳で、エルサレムで十六年の間、世を治めたが、その神、主の目にかなう事を先祖ダビデのようには行わなかった。 16:3彼はイスラエルの王たちの道に歩み、また主がイスラエルの人々の前から追い払われた異邦人の憎むべきおこないにしたがって、自分の子を火に焼いてささげ物とした。 16:4かつ彼は高き所、また丘の上、すべての青木の下で犠牲をささげ、香をたいた。
(中略)
16:10アハズ王はアッスリヤの王テグラテピレセルに会おうとダマスコへ行ったが、ダマスコにある祭壇を見たので、アハズ王はその祭壇の作りにしたがって、その詳しい図面と、ひな型とを作って、祭司ウリヤに送った。 16:11そこで祭司ウリヤはアハズ王がダマスコから送ったものにしたがって祭壇を建てた。すなわち祭司ウリヤはアハズ王がダマスコから帰るまでにそのとおりに作った。 16:12王はダマスコから帰ってきて、その祭壇を見、祭壇に近づいてその上に登り、 16:13燔祭と素祭を焼き、灌祭を注ぎ、酬恩祭の血を祭壇にそそぎかけた。 16:14彼はまた主の前にあった青銅の祭壇を宮の前から移した。すなわちそれを新しい祭壇と主の宮の間から移して、新しい祭壇の北の方にすえた。 16:15そしてアハズ王は祭司ウリヤに命じて言った、「朝の燔祭と夕の素祭および王の燔祭とその素祭、ならびに国中の民の燔祭とその素祭および灌祭は、この大きな祭壇の上で焼きなさい。また燔祭の血と犠牲の血はすべてこれにそそぎかけなさい。あの青銅の祭壇をわたしは伺いを立てるのに用いよう」。 16:16祭司ウリヤはアハズ王がすべて命じたとおりにおこなった。
16:17またアハズ王は台の鏡板を切り取って、洗盤をその上から移し、また海をその下にある青銅の牛の上からおろして、石の座の上にすえ、 16:18また宮のうちに造られていた安息日用のおおいのある道、および王の用いる外の入口をアッスリヤの王のために主の宮から除いた。(列王記下16章)

 南ユダ王国のアハズ王は、エルサレム神殿の祭壇をアッシリヤ風の大祭壇に造り替え、その他の神殿の調度も配置や造りを変えてしまった。それは、ダマスコに出かけたとき、アッシリヤの祭壇のほうが立派に見えたからというのがひとつの理由であろうが、もっと大きな理由はアッシリヤの王のご機嫌を取るためであった。アッシリヤは、歴史上初めてオリエント世界を統一した暴虐な軍事帝国であった。
 神殿のこまごまとした設計は、シナイの山で主がモーセに教えてくださった幕屋の設計に基づいているものであって、その内容は出エジプト記の後半にこと細かく記されている。それは、神がお定めになったことであって、人間が勝手に変更することが許されるものではなかった。アハズがしたことは、主のみこころに背くことであった。また、本来ならば祭司ウリヤが命を賭けて王をいさめるべきところであったのに、唯々諾々と王の命令にしたがって混合宗教的に神殿を改造しているのは、まことに情けない。

 人を恐れるとわなにかかる。 しかし主に信頼する者は守られる。
                  (箴言29章25節  新改訳)



    ユウガオ