苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

ギデオン 3  ただ神にのみ栄光を!

 8:22イスラエルの人々はギデオンに言った、「あなたはミデアンの手からわれわれを救われたのですから、あなたも、あなたの子も孫もわれわれを治めてください」。 8:23ギデオンは彼らに言った、「わたしはあなたがたを治めることはいたしません。またわたしの子もあなたがたを治めてはなりません。主があなたがたを治められます」。
  8:24ギデオンはまた彼らに言った、「わたしはあなたがたに一つの願いがあります。あなたがたのぶんどった耳輪をめいめいわたしにください」。ミデアンびとはイシマエルびとであったゆえに、金の耳輪を持っていたからである。8:25彼らは答えた、「わたしどもは喜んでそれをさしあげます」。そして衣をひろげ、めいめいぶんどった耳輪をその中に投げ入れた。 8:26こうしてギデオンが求めて得た金の耳輪の重さは一千七百金シケルであった。ほかに月形の飾りと耳飾りと、ミデアンの王たちの着た紫の衣およびらくだの首に掛けた首飾りなどもあった。
  8:27ギデオンはそれをもって一つのエポデを作り、それを自分の町オフラに置いた。イスラエルは皆それを慕って姦淫をおこなった。それはギデオンとその家にとって、わなとなった。       (士師記8:25−27)

 内にある偶像と闘い、外敵をみごと撃退したギデオンは、人々が自分と自分の子らを王としてかつぎあげることを拒んだ。「いや、主があなたがたを治められるのだ」と。
 しかし、そのギデオンでさえ、自分の戦勝の記念品をひとつ残したかったのだろう。民から寄せられた金の耳輪を鋳なおしてエポデを作った。それが偶像とされた。多くは民の責任であろうが、幾分かはギデオンの責任でもあった。すべての栄光を神にお返しすればよかった。戦勝の記念品など要らなかったのだ。
 「人は偶像製造機である」とある改革者は嘆いたが、後年、人々は改革者たちの像を立てている。むろん偶像ではなく記念であるといいながらだが、改革者たちにはひどい迷惑にちがいない。また、近年、共同墓地に隠すように葬られたその墓も発見されてしまったという。・・・もう一度、「ただ神にのみ栄光を!」