苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

自民改憲案の問題点(その5)・・・・・・・・・表現の自由の侵害

日本国憲法
二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。

自民改憲案2012年4月27日
第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。
2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。


 たしかに、テレビ、雑誌、ネットなどで流されるエログロ情報は公益と公共の秩序に反すると思う。また、原発がすでにメルトダウンしているのに、大学教授まで動員してメルトダウンしていないと宣伝し、多くの人を被曝させた政府発表・NHK・民放・大新聞の報道も公益に反する。 
 問題は、「公益及び公の秩序」とはなにかという判断を誰がするのかということである。もし時の政府が恣意的に、「これは公益・公共の秩序に反する。これは反しない。」と判断する権限をもっているとすれば、どうなるか。これは非常に危険なことである。たとえば電力会社とべったり癒着した政府が、原発反対集会は公共の利益に反すると判断したならどうなるか。
 国民の表現の自由は、それほど軽々しく国が制限すべきものではない。そもそも、憲法とは、主権者である国民が、公僕である権力(立法・行政・司法)を縛る道具であるのに、憲法をもって国民を縛ろうというのが見当違いなのである。

こちら参照
 http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20091214/p1

追記
 実際にはこの種の制限は「有事」の際に、国民の反戦的発言を圧殺するために権力者が乱用するものである。