苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

一線

「主の契約をあなたがたが破り、行って、ほかの神々に仕え、それらを拝むなら、主の怒りはあなたがたに向かって燃え上がり、あなたがたは主があなたがたに与えられたこの良い地から、ただちに滅び失せる。」
                   ヨシュア記23:16

 年を重ねて老人となったヨシュアが民に語ったことばの一節。先達モーセに約束された「乳と蜜の流れる地」は、エジプトにまさるとも劣らぬ偶像崇拝の地であった。その地でいかにして、聖なる神の民として聖なる生き方を保ち、祭司の民として、世界の祝福をもたらすか。
 その要点のひとつは、「他の神々には決して仕えない」という一線を守るということだった。どんなに人々に喜ばれ、社会的に有用と思えることをしていたとしても、もしこの一線を越えてしまうならば、私たちは神との交わりを失い、そして、すべてを失ってしまう。
 地球的危機の時代のもとでの宗教的多元主義の流行、また、昨年来の東日本大震災後の時代の要請に応えつつも、私たちがけっして越えてはならぬ一線を、ヨシュアの遺言に確認すべきこと。