*半年ほど前に書いた文章ですが、アップしておきます。
「原発は常に部品交換をし続けているのだから、寿命を40年と区切る必要はない」と阿呆なことを主張をする自民党議員がいるという。河野太郎を例外として、つくづく自民党は原発べったりである。そうなのか?
原発の寿命は原子炉圧力容器の寿命である。配管、配線、コンピューターその他の周辺部品は更新するのだけれど、本体である原子炉圧力容器はけっして交換できない。だから、原発の寿命とはすなわち圧力容器の寿命なのである。
ところが、鋼鉄製の圧力容器は、放射能にさらされ続けていることによって、だんだんと劣化して、ガラスのようにもろいものになっていく。冷えているガラスのコップに熱湯を注ぐと、グラスがビシッと割れてしまう。突然の熱膨張にガラスは柔軟に対応できないからである。逆に、ゆっくりと熱して100度になっているガラスのコップに冷水を注ぐと、やはり割れてしまう。これは突然の収縮にガラスが対応できないからである。
同じことが経年劣化した鋼鉄製の原子炉でも起こる。新品のときには5度の冷水をかけても割れることのない柔軟性をもった圧力容器が、放射線による劣化が進むとガラスのようにもろくなり、相当に熱した湯をかけても割れてしまうようになる。日本で最悪の状態にある玄海原発1号機では、98度の熱湯をかけても割れてしまう。こういう状態だと、すわ地震だということで、緊急冷却停止システムが稼動して、運転中で高熱になっている圧力容器に水をかけたとたんに割れて、放射能が噴出してしまう。
下に掲げたのはワースト7の原発である。
第一位 玄海1号機 36年使用 98℃で割れる
第二位 高浜1号機 37年使用 95℃で割れる
第三位 美浜2号機 39年使用 86℃で割れる
第四位 美浜1号機 41年使用 81℃で割れる
第五位 大飯2号機 32年使用 70℃で割れる
第六位 敦賀1号機 42年使用 51℃で割れる
第七位 福島第一1号機 41年使用 50℃で割れる