どうも、あの中国の反日デモは、やらせというか、ほとんど官製デモだったようですね。たしかに、お揃いのシャツとか、立派な横断幕とかを見ていると、ボランティアのデモには見えませんでした。都市部の一般の中国人は、反日デモに距離感を持っていたようです。デモに集められたほとんどは地方からの出稼ぎ労働者と学生で、デモの先頭でリードしていたのはお役所の人間だったりしたそうで、テレビに出てしまった顔の映像から、「あれ、この人あの派出所の所長さんだ」「あれ日本車をひっくりかえせと言っているのは公安警察のおっさんだ」とネットで話題になっているそうです。当局はそういう情報が流れると必死で消しているそうです。地方からの出稼ぎ労働者たちというのは、都市住民との経済格差が本当に酷く鬱積した怒りがあるので、天安門事件以降ふつうならデモなんかすれば即逮捕ですが、「反日デモ」となればＯＫなので、この際、爆発しているということです。
なるほど、どおりで当局が止めたら見事にぴたりとやんだわけです。官製の証明でしょう。それならちゃんと政府が壊された店舗を保障すべきでしょう。もちろん過去の日本の侵略行為と反日教育という背景がありますから、中国人のほとんどには日本に対する不信感や恨みはなかなか拭い去れないものがあるでしょう。けれども、大半の中国人は、尖閣諸島問題で日本と戦争したいなどとは思っていないのです。かつての侵略と反日教育のゆえに、けっして日本が好きでないにしても。
ごく一部の知識人でしょうが、ちゃんと尖閣諸島が日本のものだと認識していて、勇気ある主張もしています。
☆http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/586247/
だとしたら、覇権主義の共産党政府の自作デモに煽られて日中両国民みなが、戦争に突入せよと燃え上がってしまうのは、馬鹿げたことです。実際に戦争になってしまえば、ワールドカップと同じで、両国民のほとんどは頭に血が上って敵意のみになってしまうでしょう。とくにすべての中国人のなかには、日本の侵略行為の記憶が反日教育によって刷り込まれていて火種はあるのですから、そこにガソリンをかければ激しく燃え上がってしまいます。ガソリンをかけないことが大事です。
なぜ、日本のテレビや新聞は、こうしたことを取り上げないのでしょうか？
☆こちらのリンク先をごらんください。北京在住の日本人による、とても興味深いレポートです。
http://blog.goo.ne.jp/dashu_2005/e/d133e4045bb0ac65d80d617e979f9bd0
＜追記＞
☆もっと詳しく知りたい人は、ぜひこちらを読んでください。中国の政治の仕組みの解説がされ、10月に党大会と大きな変化を迎えようとする共産党内部の苛烈な権力闘争と今回のデモとの関係が書いてあります。この時期に尖閣問題でさわいだ目立ちたがりの都知事と挑発されて国有化宣言をした首相がいかに外交音痴であるかわかります。外務省には中国通がいるはずなのになぜ？と思います。もしかしたら、わざとでしょうか。
さらに、日本はどのように中国とつきあっていくのかについて建設的な知恵についても書かれています。
http://www.maya-fwe.com/4/000233_J.html
＜追記２＞
日経新聞がやはりあれは官製デモだったという情報を流しています。
反日デモは官製？ 警察学校生「任務で参加」
2012/9/20 23:48日本経済新聞 電子版
中国江西省南昌市の警察学校の生徒が18日に同市で行われた反日デモに、学校の命令を受けて参加した疑いが強まった。北京のデモでも河北省農村部の固安県から最大600人が団体で参加。今回のデモについて外務省は「住民の自発的な行為」としているが、官製デモの色彩を帯びている可能性が出てきた。
＜追記３＞
【香港時事】１７日付の香港各紙は１６日に中国各地で起きた尖閣諸島問題をめぐる反日デモについて、各大学の政府系学生会が組織したものだったと伝えた。中国政府は「一部の大衆が日本側の誤った言動に義憤を表明した」（外務省スポークスマン）と説明しているが、実際には官製デモだったことになる。
中国系香港紙・文匯報によると、四川省成都市のデモ参加者たちは「各大学の学生会が１カ月前から準備を開始した」「校内で日本製品ボイコットの署名活動も行った」と話した。
また、リンゴ日報も「デモに参加したある大学生がインターネット上で、デモは学生会が組織したことを明らかにした」と報じた。
中国の大学学生会はすべて政府や共産党の指導下にあり、自主的な政治活動は一切認められていない。
