苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

教訓を風化させないために

 311の原発事故は、財界・官界・政界の人々のなかでは早くも風化してしまい、わが国は「原発安全神話」という迷信の世界に戻っていこうとしている。読売・産経・日本テレビはその広報機関である。原子力安全保安院は、原発使用期間を10年間延長することを認めた。自民党のなかからは、廃炉は40年という原則も不要だという主張までも聞こえる。
 「この夏の電力需要を満たすために大飯原発再稼動が必要だ」というキャンペーンを、原子力ムラはくりひろげてきた。だが、原子力ムラのねらいはほんとうはそんな小さな(実は大きなことかもしれないが)ことではない。彼らの狙いは日本中のすべての原発の再稼動にほかならない。
 全原発再稼動の道具はすでに用意されている。あの4人か5人の政治家が密室でばたばたと決めた基準ともいえない新安全基準である。「三年後には免震重要棟を造る予定です」「避難道路は4年後着工するつもりです」などと予定表さえ出せば、首相は「原発の安全は確保されています」と「責任をもって」宣言するのである。あんなことで再稼動OKとすれば、福島第一の1〜4号炉だって再稼動OKだろう。
 あれほどの目に遭いながら、なお何の教訓も学びえないならば、この国はどういうことになるのだろうか。

 「愚かな者の安心は自分を滅ぼす。」箴言1:32

  「犬が自分の吐いた物に帰って来るように、
 愚かな者は自分の愚かさをくり返す。」箴言26:11


 だが、私たちはBCCの特集番組で整理して記憶にとどめておこう。