苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

JAXA法改訂と戦争依存症

 「北朝鮮人工衛星ロケットは事実上のミサイル発射だ」という非難のことばを、私たちは今回幾度となく聞かされてきた。14日、政府は日本の宇宙開発を軍事目的に利用できるように、JAXA法の改訂することを閣議決定し、その法案を国会に提出した。現在、JAXA法ではその業務は「平和の目的に限る」とされているが、その制限を取り払うというのである。こんな閣議決定をくだす野田内閣に、北朝鮮のミサイル発射を非難する資格があるのか?
 JAXA法改訂の背景には、経団連の圧力がある。2004年7月20日経団連は、日本の産業界が武器を作って大もうけできるように、政府に武器輸出三原則を緩和せよと迫った。この観点からいうならば、(もちろん限定付きだが)経団連は「死の商人連合」である。
 「戦争中毒」ということばがある。米国が罹っている重度の経済・軍事的病気のことである。米国はおよそ3000万人が軍事関連産業に携わっているという数字を読んだことがある。兵器というものは他の製品とちがって、戦争をしなければ消費しない。だから戦争がないと兵器業界が不景気になってしまう。そこで、米国は10年ごとに「在庫一掃セール」をする。戦争を作り出すために、産業界は政府に圧力をかけ、戦争好きな大統領が選ばれるように画策する。ブッシュ大統領はその典型であった。米国は、戦争がわが身を滅ぼすと知っていながら、戦争がなければ生きてゆけなくなってしまっている。
 産業界はいったん軍事をもって維持する構造に陥ってしまうと、もはやその戦争中毒=戦争依存症から抜け出ることができなくなってしまう。死の商人たちは「愛国者」の顔をして、周辺事態の軍事的脅威をマスメディアを通して宣伝し、祖国の危機を訴える。国民はマインドコントロールされて、仕方ないかと考える。軍事費はますます拡大して国民生活を圧迫する。今回の、「事実上のミサイル発射である北朝鮮のロケット発射・・・」という何度も聞かされた表現は、JAXA法改訂の準備だったのであろうか。

「平和をつくり出す人たちは、さいわいである、
彼らは神の子と呼ばれるであろう。」マタイ5章9節

こちら参照→http://jaxaforpeace.a.la9.jp/faq.pdf