苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

子どもたちの被曝

 千葉の友人の小さな娘さんが、CTだか超音波だかで調べてもらったら、甲状腺にたくさんの腫瘍が発見されたという。悪性かどうかは分からないのだが、心配なことである。聞けば、3月11日以後、2,3回、それまではなかった鼻血を出したとのこと。線量計で測ってみたら、家の周りの線量は1ミリほどあり、通学路には3ミリのところもあるという。
 身近な人から話を聞いて、やはり、細胞分裂が旺盛な小さな子どものばあい、放射能に対する感度が大人の5倍とかいうのはほんとうなのであると実感した。甲状腺については今後の推移を見守るというのが医師のことば。大事にいたらないようにとせつに祈っている。

20120416「たね蒔きジャーナル内部被曝の知られざる内幕」矢ケ崎克馬琉球大学名誉教授)

<概要のメモ>
1.鼻血
 311以前には鼻血など出したことのない子どもたちが、水道の蛇口を開いたような大量の鼻血を出すようになっている。福島近辺、町田市、沖縄に避難した子どもなどあちこちで、同様の症例が出ている。町田市で第一次調査で104人。以前にはそういうことはなく、外傷がないにもかかわらず、大量の鼻血が出ているのが特徴。

2.子どもの甲状腺に異常発生
 福島第一原発近辺四市町村3765人の子どもたちの甲状腺検査の結果30パーセントに、しこりとのう胞が発見された。ベラルーシと比較すると、今後の健康状態の悪化が予測される。北海道に避難した子どもたち170名の場合20パーセントにのう胞、しこりが発見されている。


3.内臓へのセシウム137の蓄積
 ベラルーシの結果で危惧すべきことは、1997年に230名の臓器解剖をした結果、セシウム137が蓄積されていることを調べた。あらゆる場所に蓄積されており、子どもの甲状腺にはほかの臓器の2〜3倍蓄積されている。甲状腺にはヨウ素だけでなく、セシウム137も蓄積される。おそらく放射能のほこりが微粒子として、ヨウ素といっしょに入ったと考えられる。
 ヨウ素半減期は8日だが、セシウム137は半減期は30年である。だから一旦はいると一生内部被曝し続けることになる。血液内にはいった場合は、「生物学的半減期」で数十日で排出されるが、内臓に入った場合には排出されにくい。
 チェルノブイリの子どもたちは甲状腺切除の子どもが多かったが、福島の子どもたちにも今後そういう事態も起こりえる。ルミヌイ地区(福島市、郡山よりましな汚染状況)の子どもの甲状腺被害は、四年後にどかっと増えて、十人に一人は甲状腺の病気にかかった。ベラルーシの統計では、1986年のチェルノブイリの事故の翌年には子どもも大人もガンが増加している。なぜ日本の政府は国際的な経験として、日本の子どもたちに適用することが出来ないのか。非常に残念である。


4.チェルノブイリ周辺三国と日本政府のちがい
 また、チェルノブイリ周辺三国では、1ミリシーベルト以上の地域の人には移住の権利を与えて移住を望むばあいは国が補償し、5ミリシーベルト以上では移住義務があり、当然国がその費用を補償する。しかし、日本では20ミリシーベルト以下の地域の住民に帰還することの許可を出した。言い換えると、20ミリシーベルト未満ならば国は移住についてなんの保障もしないという意味である。


5.日本の食品の放射線基準
 4月から食品の基準が1キログラムあたり500ベクレルのものが100ベクレルに変更された。これでも高い。
 ドイツの場合、おとな8ベクレル、子どもは4ベクレルである。日本はドイツの10倍以上である。
 特に警告すべきは、幼児食は50ベクレルとしているが、これは非常に危険である。もし入れるとすれば1ベクレルとすべきところである。