苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

具沢山の味噌汁を


ホウズキ

 先日、総合センターで、五校PTA主催の「日々の食事が子どもの未来をつくる」という講演を聴いてきました。講師は南相木村の細井千重子さん。ひさしぶりにお目にかかりましたが、ますますお元気なごようすでした。
 1970年代後半、子どもたちのようすがおかしいと教育現場が言い始めたそうです。便秘、朝から疲れている、かんたんに骨折してしまう云々と。そして今日、厚生労働省によると、高校生の四割が糖尿病・高脂血症・高血圧・痛風など生活習慣病予備軍なのだそうです。「子どもの老化現象」です。
 生活習慣病には複合的な原因がありますが、食事に関して言えば、食生活の欧米化つまり油脂と肉の摂り過ぎ、そして野菜不足です。朝食を洋食(ベーコンエッグ・トースト・野菜サラダ・牛乳)にすると、620カロリーで繊維がたった3グラム、コレステロールが260ミリグラムだそうです。他方、和食(ご飯・キンピラ・アジの開き・おひたし・漬物・味噌汁)なら430カロリーで、繊維は6.7グラム、コレステロールはたった36mg。
野菜不足になると、繊維不足で便秘となり体調不良の原因となるばかりでなく、ビタミン・ミネラル不足になってしまいます。ビタミン・ミネラルがないと炭水化物もたんぱく質も十分燃焼することができません。
 その上、現代は野菜自体がビタミン・ミネラル不足なのだそうです。理由は二つあって、ひとつは化学肥料のみに頼って作った野菜が多いからだそうです。堆肥不足です。もうひとつの理由は、旬が外れた野菜を食べていることです。旬を外れた野菜は、見かけは立派でもビタミン・ミネラルは旬の野菜の七分の一から十分の一しか含まれていないというのです。(筆者注:この数字はちょっと極端な気がしますが、一般的傾向としては事実でしょう。)
 そこで、細井さんの具体的対策は次の二点です。第一に、家庭菜園に生ごみ堆肥を入れることです。生ごみはミネラルの宝庫です。第二は旬を取り戻すことです。秋の旬といえば、ゴボウ、ニンジン、ダイコン、サトイモ、サツマイモなどイモ類。ハクサイ・キャベツなど結球もの。ネギ、ニラは身体を温めて寒さから守ってくれます。皮膚・粘膜を丈夫にしてカゼをひきにくくしてくれるのが、カロチンたっぷりのホウレンソウ、コマツナシュンギク野沢菜など。朝食は、ごはんと、このような旬の野菜を沢山入れた味噌汁に納豆で、子どもたちは元気になります。
 話をうかがいながら、結局、人間が文明の力で年中肉を食べたり、季節外れに好きな作物ばかり食べることで、自分の健康を害しているのだなあと思わせられました。神様が定めた季節に従って育ってくる作物を感謝していただくことが健康の秘訣なんですね。

 神はまた言われた、「地は青草と、種をもつ草と、種類にしたがって種のある実を結ぶ果樹とを地の上にはえさせよ」。そのようになった。 地は青草と、種類にしたがって種をもつ草と、種類にしたがって種のある実を結ぶ木とをはえさせた。神は見て、良しとされた。 夕となり、また朝となった。第三日である。
 神はまた言われた、「天のおおぞらに光があって昼と夜とを分け、しるしのため、季節のため、日のため、年のためになり、 天のおおぞらにあって地を照らす光となれ」。そのようになった。」(創世記1:11−14)

(通信小海2011年9月号)