苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

北海道 泊原発営業運転再開


  出典http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-778.html


 北海道泊原発が再稼動に動きだしている。高橋はるみ北海道知事が、再稼動を急ぐ経済産業省に対して一応「地元無視だ」と不快感の政治的ポーズを示したあと、事前に打ち合わせしておいたのだろう、ほどなく再稼動にGOサインを出してしまった。それもそのはず、高橋知事は経済産業省出身である。なぜか泊原発はストレス・テストもしないでいいそうだ。泊原発と札幌はたった70kmしかはなれていない。
 北海道に大きな地震は来ないのか。いや、泊原発から120kmほどの奥尻島を呑み込んだ巨大津波を引き起こした規模M7.8、震度「烈震」の北海道南西沖地震は記憶に新しい。1993年7月12日のことである。「2009年に泊原発の西約15キロメートルの海底に長さ60〜70キロメートルもの長大な活断層があることを東洋大学の渡辺満久教授たちが指摘」(広瀬隆福島原発メルトダウン朝日新書166頁)している。同教授によれば、「長さ60〜70キロで、マグニチュード(M)7.5級の地震が起こりうる」。
 西から東に常に風が流れている日本列島だから、泊原発は北海道全域に対して最悪の位置にある。福島の場合、太平洋に面していたから空気中に放出された放射性物質の9割以上(ドイツ気象庁のシミュレーションを見ての筆者の大雑把な印象)は太平洋上の大気に拡散し、被害は最小限で済んでいるが(最小限でも今のような有様である!)、泊原発が破綻したばあい放射性物質の9割以上は北海道に降り注ぎ、全道居住不能となる。上記のシミュレーションをごらんください。
 泊原発再稼動について、武田邦彦氏はいつもながらたいへんクリアに「科学的にはNO」と述べている。

北海道、泊原発の再開:科学的にはNO
http://takedanet.com/2011/08/post_1a18.html
平成23年8月10日 武田邦彦(中部大学)

北海道の泊原発の再開が問題になっています。でも、あまりに簡単なことですが、科学的には完全にNOです。

1) 震度6地震青森県東通原発から、石川県志賀原発まで、すべての原発が100%の確率で破壊された(破壊=地震が終わっても数ヶ月以上、立ち上がれない破壊)、

2) 特に、東通、福島第一、茨城第二は、全電源を失った。たまたま福島原発だけが爆発に至っただけで技術的には、同じ危険があった、

3) 泊原発に震度5以上の地震が来る可能性がある、

4) 東日本の原発の安全性をすべて間違った原子力安全委員会経産省保安院に安全を審査する能力はない。

実にハッキリしています。再開は技術的にはとうてい無理です。しかも、未だに「救命ボート」も準備されていませんし、住民の避難訓練もされていません。
(音声ファイルがついています。ダブルクリックしてください)
「takeda_20110810no.56-(3:26).mp3」をダウンロード
http://takedanet.com/2011/08/post_1a18.html

<参照>http://ascapit.blog110.fc2.com/blog-entry-110.html

また、今朝、朝日新聞にこんな記事を見つけた。北大教授もやっとまともにものを言えるようになったらしい。

泊原発の営業運転前に安全策を」 北大教授ら緊急声明

 定期検査の調整運転を5カ月以上続け、近く営業運転に移行する見通しの北海道電力泊原発3号機をめぐり、北大大学院の吉田文和教授(環境経済学)ら北海道内の大学教授など50人が15日、「無条件での営業運転開始は容認できない」とする緊急声明を出した。

 声明では、同原発が1993年の北海道南西沖地震津波の引き潮の影響を受けたとされることや、沖合に北電が認めない海底活断層の存在が指摘されていることを挙げ、営業運転再開前に「第三者機関による調査、検証がぜひ必要だ」とした。

 また、東京電力福島第一原発事故を受けて北電がまとめた安全対策は「2〜4年をめどとした緊張感に欠けた対策」とし、「道は前倒しを要求すべきだ」と訴えた。

 7月7日には泊原発廃炉を訴える訴訟団が結成されている。しかし、本日、経済産業省原子力安全保安院の検査が終わり、元経済産業省官僚高橋知事の承認を受けて、海江田経済産業相の最終的OKが出て、北電泊原発三号機は再開した。みーんな内輪でシャンシャンで決めているのだ。福島第一原発の事故から、彼らはいったい何を学んだのか?