苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

普通の人、普通の企業が脱原発宣言

(本ブログ6月1日の記事、城南信用金庫理事長のことばに感銘を受けたので、文字に起こして『通信小海』6月号に引用した。ここに再録する。)
 東京都で評判の優良金融機関である城南信用金庫理事長が脱原発宣言をした。新時代の企業のありかたのスタートを告げる画期的なことである。インタビューに対する理事長の応答をここに記しておきたい。
 「信用金庫というのは、地域のみなさんをを守り、地域を発展させ、ひいては日本国の発展に寄与するものとして各地に生まれてきた金融機関です。ところが、今回の原発の事故があって、福島県の信用金庫を見ておりますと、その地域からの退避命令が出る。地域の住民はそこに住むことさえできなくなる。当然、そこにある信用金庫も地域から離れなければいけない。地域を守らなければいけない信用金庫として、その気持ちが痛いほど、たいへんなことだなあと思いました。それは我々にとって他人事ではありません。
 そう考えた場合に、いったい原発とはなんだったんだろうと考えないではいられなかった。原発というのがいかに危険なものであるかを知ったわけです。人というのは必ずミスをするものです。今回、政府も東電もいろんなミスをしたと思います。でも、そうした中で『何があっても大丈夫だ』と説明されてきました。しかし、その説明がことごとく違うということを聞いて、我々は非常に衝撃を受けました。我々は安心して電力の供給を受けていたのが、こんなに福島県の方たちに迷惑をかけてしまった、と。
 そうして今までこうしたことに関心を持たないできたことがいけないことだったな、と反省したわけです。今まで原発反対というのは、一部の市民運動の方たちがするものだと思っていのですが、われわれ普通の人間、普通の企業がこれについて真剣に考えて、これに対する態度をはっきり決めていかないと、この日本全体がたいへんなことになるということに改めて気付かされました。
 金融機関も企業も理想があり、哲学があり方針がある。企業として、原発のようなものに頼ってはいけないと発言し、できる所から地道に行動することによって、社会をよりよくすることが大事なのではないかと考えるにいたった次第です。」
そこで城南信用金庫は、まず自ら節電対策を立て、無駄遣いをやめて実を挙げた。また今後、古い冷房設備等を節電タイプに切り替え、自家発電にも取り組もうとしている。また、理事長は、東大の実験で洋上における風力発電が東京都の全電力需要をまかなえるという情報をもキャッチしていて協力したいとも話していた。
さらに、城南信用金庫は、顧客の原発に頼らない社会作りのための働き(省エネのための自家発電・節電設備導入など)のためには、有利に融資することを実施し始めている。
 これからは、自社の目先の金儲けしか眼中にないような企業は滅びていき、地域社会全体の幸福のために、態度を鮮明にして、役に立つことをしていく企業が伸びていく時代になるのだろう。

「ばらまいても、なお富む人があり、
 正当な支払いを惜しんでも、
 かえって乏しくなる者がある。
  おおらかな人は肥え、
 人を潤す者は自分も潤される。」箴言11:24,25

http://www.jsbank.co.jp/saiyou/about/special3.html

<追記>同じく企業といってもこんなにも違う。
http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20110503/p2