苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

文明のカイン性

 創世記第1章、第2章に記されているように、人間には堕落前に文化命令が与えられているゆえに、文化形成は神のたまわった祝福ある命令である。
 けれども、人間が神に背いて後、創世記第四章に記されていることは、文明はへりくだって神に祈るセツの一族にではなく、神に背を向けたカインの一族から生じたということである。これは、何を意味しているのか。
 文明は、神に背いたカイン族にとって神に取って代わる偶像であったということであろう。文明には、そういう偶像性が伴うことに我々は気付くべきである。
 さらに後の創世記11章のバベルの塔は、そうした神格化された文明の象徴である。原子力が戦後日本に導入された経緯、今日まで原子力が占めてきた位置を見るときに、まさに神格化されたバベルの塔だと思わせられる。バベルの塔を見上げて、人々が自分たちは神の領域にまで届いたのだとおごり高ぶったとき、すみやかに神の裁きがくだった。



  小海駅そばの藤棚