苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

原子炉事故とヒマワリ


 原子炉事故による土壌汚染という、農家にとっても、農家から作物をいただいている消費者にとっても、胸の痛む報道を聞く。筆者の教会にも農家のかたたちがいるから、土の問題は特に切実に聞こえる。福島から信州に避難して来られているKさんも農家の方であり、田んぼを自分のいのちよりも大切にするご主人は、妻と子は避難させつつ、ご自分は現地に留まっていらっしゃる。さいわい昨日発表された福島県の土壌調査の結果によれば、Kさんの田んぼのある地域は汚染は問題なかったようである。
 そんな中、土壌中の鉛など重金属を吸収するのに用いられるヒマワリが、ある種の放射性物質には有効であるという情報が、ネット上を飛び交っていることを知った。調べてみたら、事実である。ただし中途半端な情報はかえって有害なので、農業関係者は下記の4つのサイトを確認して、対処されることをお奨めしたいと思う。要点は三つ。
 第一点は、セシウムストロンチウムに対して有効であるが、すべての放射性物質に有効なわけではない。
 第二点は、ヒマワリは放射性物質を吸収するのであって分解するわけではないので、吸収してくれたヒマワリの個体の中に放射性物質が存在するので、その正しく安全な処理法を準備することが必要である。単に放置したり焼却したりすると、放射性物質がまた拡散する。
 第三点は、放射能汚染がひどいなかで作業することは危険なので、それなりの装備が必要であること。いずれにせよ、下記のサイトをちゃんと読んで行動することが必要。
 あの人間の背よりも高くなるヒマワリだから、土の中の水を吸い上げる力がとっても強いことがよくわかる。自ら土中の有害物質を吸い取って処理されていくヒマワリに、なんだか私たちの罪を背負って十字架にかかって死んでくださった主イエスを思わないではいられない。

「キリストは、わたしたちのためにのろいとなって、わたしたちを律法ののろいからあがない出して下さった。聖書に、『木にかけられる者は、すべてのろわれる』と書いてある。 」ガラテヤ3:13



1.植物を用いた地盤の浄化法について
http://www.ceri.go.jp/contents/news/images/geppouNo646_2007.3_p42-44_re20110323-2.pdf
2.寒地土木研究所      上記の補足
http://www.ceri.go.jp/contents/news/20110322.html
3.原子炉事故とヒマワリ  さらに補足
http://powerbreathing.seesaa.net/article/192024691.html
4.原発事故からでる主な放射性物質
http://www.stop-hamaoka.com/kaisetsu-6.html

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 先週、ぶしつけな便りをお詫びしながら、以上の趣旨を書いて福島、茨城、栃木の各農協に発送しました。そうしたら茨城農協からお返事をいただきました。私はかつて4年間茨城県に住んでいたことがあります。

茨城県の事を気に留めていただき心より感謝
いたします。
貴重な情報をいただきありがとうございます。
これからもJAグループ茨城をご支援いただけ
ますようお願いいたします。

全国農業協同組合連合会 茨城県本部
管理部 総合企画課          」

 イエス様の恵みが、被災地の農家の方々の上にありますように。


追記2011年9月15日>
福島第一原発放射能漏れ事故を受けて土壌汚染の除去実験を行っていた農林水産省は14日、放射性セシウムを吸収するとされていたヒマワリには「ほとんど効果がない」との実験結果を発表した。
 表土を削り取る手法には効果があったものの、大量に発生する汚染土をどう処分するか、課題が残る形だ。
 実験は今年5月から福島県飯舘村などの農地計約70アールで、〈1〉表土を削り取る〈2〉水でかくはんし、流す〈3〉表土と地中の土壌を入れ替える〈4〉ヒマワリなど植物に吸収させる――の4種で実施した。
 このうち、最も効果が薄かったのが〈4〉で、5月に種をまき、8月に開花したヒマワリの場合、土壌1平方メートル当たり約107万ベクレル含まれていた放射性セシウムのうち、吸収できたのは約2000分の1の520ベクレルにとどまった。
 一方、表土の削り取りでは、地表から深さ約4センチまで除去した場合、同セシウムの地表の濃度は25%に低下。牧草などが生えている場合は表土3センチを削ると濃度が3%にまで低下した。表土と地中の土を入れ替えた場合は、全体量は減らせないものの、地表の同セシウム濃度は低減できた。」(2011年9月15日09時09分 読売新聞)