苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

風も湖も    追記あり3.30

 嵐のガリラヤ湖で、イエス様と弟子たちが乗る舟は木の葉のように翻弄されて、波をかぶって沈みそうになりました。弟子たちがイエス様をたたき起こすと、イエス様は「黙れ。静まれ。」と風と湖にむかって命令しました。すると凪になったのです。弟子たちは恐れおののいて、互いに言いました。「いったい、この方はだれだろう。風も海も従わせるとは」(マルコ福音書4章41節)
 3月11日、松原湖バイブルキャンプ場でKGK春期学校の奉仕を終えたとたん揺れを感じ、初めて経験する長周期のゆれだったので、浜岡か福島だなと思ったら、福島原発事故というニュースを聞いた。そのとき、すぐ原発震災のことが頭に浮かんだ。大きな津波三陸各地を襲っているというニュースを聞いた。被災地のために、そして、原発震災防止のために祈った。KGKの学生たちにも祈りを要請し、さらに諸教会にも祈りを要請したことは、被災地の人々の救援が間に合うように、そして、陸から海に向かう風を神様が吹かせてくださって、原発によって大地が汚染されないようにということだった。陸に向く風が吹けば東北の農民が農地を失ってしまう。もちろん海上の空に舞ってゆくことも決して望ましいことではないけれど、土壌汚染は何十年も解決不能チェルノブイリ状態に陥ってしまうからである。
 考えればまことに手前勝手な祈りであるが、チェルノブイリの今日にまで続く惨状を少しは知っている者として、そのように祈らないではいられなかった。そのころ南風が吹きはじめる季節だったのに、気圧配置の変化で北西からの風が吹き始めた。しかし被災地の方たちにとっては寒さは厳しく申し訳ない、せめて灯油をお持ちしなければと思い、信州の我が家ではストーブを禁止して、家族全員朝から晩まで防寒着でずっとすごすことにし、買ってあった灯油を被災地のために供出した。
 きのうドイツの気象庁福島第一原発からの放射能拡散のシミュレーションを見ていて、「あっ」と気付いた。あの事故以来、福島原発から発せられる放射能の雲のほとんどは東の空へと拡散してきたのである。下をごらんいただきたい。

 これを見て、風も海もしたがわせる主イエスがあわれんでくださったのだとけさその名を賛美しないではいられなかった。

追記段落> だが、この事故が静岡県浜岡で起って、この風が吹いていたら、今頃東日本全域が高濃度汚染地域になっていたのであると思うと、恐ろしい。東京の水はもう飲めなくなっているだろう。九州や瀬戸内海や北陸や新潟の原発で起きた事故だったなら・・・。我々は震災からの常磐・東北の復興を手伝うとともに、ほんとうに、原発全廃を果たさねばならない。全国の原発配置図をごらんいただきたい。読者は、自分の住んでいる地域の西側にある原発が何かを確かめてほしい。それが福島のようになったら、どうなるか想像してほしい。北西風吹く冬、南西風吹く夏ならば・・・と。 原発震災を免れる人は沖縄の人だけである。偏西風が常に吹いているから。そういう意味では、破綻したのが福島原発だったからこそ、まだ「原発はやっぱり必要だ」などと呑気なことをいっている人たちが存在しうるのである。

 しかし、この後、春になり、南風の季節になる。「白樺、青空、南風、こぶし咲く・・・」と隣村の作詞家の歌を楽しく口ずさむ季節が、今年は複雑な心境である。今なお原発からは放射能が放出され続けている。いったい、どのように祈ればよいのだろうか。南風が吹いてこそ暖かくなり、農業のスタートもできるのである。しかし、南風に放射能が乗せられて東北や北海道に運ばれることは困る。いったい、どのように祈ればよいのだろう。
 イエス様にお任せして、風についてはあなたのお考えになる最善をなさってくださいとお祈りするのがよいのだろうか。



読まれたし!脱原発で安全な国づくり−−省エネ技術で原発無用

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